2022年10月14日金曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 6日目

10月12日(水)

日本では秋晴れの陽気が心地よい頃かと思いますが、本日のストックホルムは寒さが身に染みる朝となりました。私はそろそろ和食が恋しくなってきて、日本から持参したインスタント味噌汁を少しずつ大切に飲んでは望郷の念に駆られるのでした...


さて、本日よりプログラムの参加者は、受け入れてくださるスウェーデンの学校へとそれぞれ赴きました。(Neglinge skola, Boo Gård Skola, Björknässkola)

本日のブログはBjörknässkolaについてです。

まず、日本の学校との違いを感じたのは職員室でした。私が抱いている職員室のイメージといえば、多忙な教員が眠気覚ましに飲むコーヒーの香りがする生徒にとってなんとも入りにくい空間です。一方、こちらの学校の職員室でも同じようにコーヒーの良い香りを感じられますが、香りと共にあるのは疲れではなくほほえみや笑い声でした。このような職員室であれば、私はスキップしながら通勤するでしょう。

 
学校紹介が終わると、次はいよいよ授業参観です!

7年生のスウェーデン語の授業と8、9年生の英語の授業を参観。スウェーデン語の授業は鉛筆と紙をほとんど使わず、コンピューターで学習していました。アプリで生徒の出席、遅刻、成績などを管理し、親も生徒の状況を見ることができるようになっています。わが子の学習状況を知ることができるのは親にとってうれしいことですね!


8年生の英語の授業では、好きな作曲家について発表の準備をしていました。生徒たちは作曲家について英語を使ってインターネットで調べ、各自でプレゼンテーションを作っていました。スウェーデンの8年生は日本でいう中学2年生。流暢な英語やクオリティの高いプレゼンテーションは驚きでした!また、自分で書いた英文をgoogle translateに入力し、正しい文章を書けているか確かめている姿も見られました。私たちが大学に入って教わるようなテクニックまで駆使していたのでますます驚きでした!

9年生の英語の授業では、national testに向けてリスニング練習をしていました。national testとは、スウェーデンの生徒が受けるテストで、全部あわせると28種類あるそうです。BBCのリスニング教材を使い、実用的な単語が出ていました。驚いたことに、説明や質問まで授業はすべて英語。スウェーデン語はほとんど話していませんでした。英語に触れる機会が増え、他の言語に頼らない力が付きますね!リスニングの後は英語でのディスカッション。生徒の皆さんは自分の意見を持ち、堂々と発表していて、積極性も見習わなければならないと感じました。「生徒たちはなぜそんなにモチベーションが高いのか」聞いてみたところ、「普段英語の音楽を聴いたり、英語の映画を見たりして英語に触れる機会が多いので英語を楽しみながら勉強できる」ためとのこと。国をまたいでの文化交流を通した、英語との距離が近い環境がスウェーデンの子ども達が英語を学ぶ原動力なのですね!
(松本哲平・竹内葵)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月13日木曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 5日目

10月11日(火)

本日は現地の小学校視察です。水曜日から実習させていただく学校のうち、2校に全員でお邪魔します。一つ目の学校であるNeglingeはストックホルム近郊にある歴史ある昔ながらの小さな学校ですが、一方でBoo Gårdは数年前にできた近代的な建物となっており生徒数も多いです。この違いも意識しながら視察したいと思います。
 

Neglingeには電車で向かいました。今回の電車は改札がなく、電車内でチェックもなかったので無賃でも乗れちゃうのではないかと思ってしまいます(ちゃんと自分たちはお金払ってますよ)。

20分くらい電車に乗り、郊外の住宅地につきました。少し歩くと目的地の学校に到着しました。とても歴史を感じる校舎があり北欧らしさを感じられます。この校舎は1900年ごろストックホルムから建物まるごと移されたらしく築100年を超えているらしいです。

学校内に入ると副校長先生が迎え入れてくださり、部屋の中に入りました。部屋にはたくさんのチョコレートのカップケーキやドーナツみたいなもの、洋ナシ風味の炭酸ドリンクなどを用意して下っていて、豪華に歓迎してくださりました。また、壁には子どもたちの創作物がたくさんあり、こういうところは日本と変わらないなと思いました。

その後副校長先生がこの学校の紹介、日本の算数の授業との比較についてお話していただきました。スウェーデン目線で日本の教育を見ることは、新しい発見にもつながりとてもいい経験となりました。


校舎案内では音楽室兼図工室を見させていただきました。担当の先生がとてもユニークで音楽教育コースの生徒もとても楽しんでいました。


Neglinge の後はBoo Gård に向かいました。Boo Gård では、たくさんの生徒さんが「こんにちは!」と日本語のあいさつで出迎えてくれました。印象的だったのは学校で過ごす子供たちの、キラキラした目と、楽しそうな声です。生徒も先生も、のびのび心地よく過ごし、学ぶことを大切にしている、そんな学校だとわかりました。どのような授業や取り組みをしているのか、明日からのプログラムを通してもっともっと深く知りたいと感じました。



お昼ご飯はBoo Gårdの給食をいただきました。自分で食べたいものを食べたい量食べることができます。日本の給食とはずいぶん違いますよね。学校給食も、Boo Gårdのビュッフェスタイルもどちらもよさがあると思います。学校給食のほかにも、私たちが過ごしてきた学校生活と比べてみるとたくさんの違いを発見できました。



Boo Gårdには就学前の児童が通うプレスクールがあります。子供たちは豊かな自然の中で遊びを通して多くを学んでいきます。先生方はとても研究熱心で、お話を聞いて幼児教育の奥深さを改めて感じました。




学校訪問の後は、再びガムラスタンへ...。夕暮れも町はとても美しかったです。栃木県に行ったことがあるおじさまと、横浜に行ったことがあるチョコレート屋の店主さんに出会いました。二人とも日本語がお上手で、お話しできてうれしかったです。今日まで日本語ならわかるまいと、好き勝手話していました。ですがお二人と交流して、スウェーデンでは日本語がわかる人が意外と多いのかもしれないと気づきました。


(大郷朔矢・前田彩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月12日水曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 4日目

10月10日(月)

いよいよ今日から本格的に研修がスタートしました。朝、ホテルから貸切バスで目的地へ。のはずが、バスが事故に遭って迎えに来られなくなったり、代わりのタクシーが捕まらなかったりと、海外旅行らしいトラブルで幕開け。

そんなこんなで、陽気なミカエルさんが運転する貸切バスで向かったのは、教育学部との協定校であるウプサラ大学(Uppsala Universitet)です。交換留学生として勉強中の清宮さんが出迎えてくれました。このウプサラ大学、なんと北欧で一番古い大学なんだそうです。

まずは大学の周りを散策。みんなでウプサラ城に行きました。スウェーデン王グスタフ1世が住むお城でした。お城といえば戦いですが、なんとこのお城を建て始めた頃にはもう戦国時代が終わっていて、一度も戦いに使われなかったそうです。現在は、ウプサラ県知事が住んでいます。


ランチタイムには、ウプサラ大学の学生さんと一緒に、大学のカフェテリアで食事をしました。ランチは、①ベジタリアン②ソーセージ③チキンから選びました。ソーセージは、スウェーデンの伝統的なものだそうです。紫色のソースは、塩気があってとてもクリーミー。おいしい食事をいただきながら、話題はお互いの国の食文化のことに。スウェーデンで有名なものは、ミートボールにベリーソースをかけたもの、マッシュポテト、サーモンだと教えてくれました。実はどれにも出会えていない私たち...。


 
食事のあとは、とっても目立っている、「2つのとんがり屋根の建物」を目指して歩きました。たどり着いたのは、ウプサラ大聖堂(Uppsala Cathedral)。少し重い扉を開けて中に入ると、美しい装飾と彫刻が一面に広がっていました。中にはいくつか小部屋があって、さまざまな方法で祈りを捧げられるようになっていました。一番多かったのは、“Pray for Peace”。世界中の人たちが、安全に、健康に、暮らせるように。私たちにもできることを探していきます。


 
1日しかないウプサラ訪問でしたが、とても満喫することができました。いい1日だったなあ...と思いながら夕食へ向かうと、なんと、噂のミートボール×ベリーソースとマッシュポテトが! スウェーデンに到着して3日目、やっと「スウェーデン料理」に出会えました。ミートボールは、お肉がぎゅうぎゅうに詰まっていて、歯ごたえがありました。甘酢っぱいベリーソースとの相性は本当に最高です。いま読まれているみなさんは、どんな味を想像されていますか?ぜひ、スウェーデンへ行って味わってみてください♪マッシュポテトも、クリーミーで美味しかったです。

 
明日からはいよいよメインとなる、学校訪問へ行きます。スウェーデンの子どもたちや先生方との出会い、学校の様子を学ぶのがとても楽しみです!
(六川麻耶・片桐侑大・寺島未歩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月10日月曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 3日目

10月9日(日)

自由行動2日目!

今日は、まず市街地から少し離れた場所にあるドロットニングホルム宮殿という建物へ向かいました。世界遺産ということもあって、期待大です。




宮殿の中はもちろんすごかったんですが、特に印象に残ったのはお庭でした。回り切れないほどの広さ(村や町くらいあるのでは…と思うぐらい)で、噴水や紅葉した木々、湖に集まる鳥たちなど、すべてがもう神々しい…!こんなに広い庭で何をしていたんだろうかと、当時の生活も勝手に想像しながら歩いたので、とても楽しくそして優雅に時間を過ごすことができました。

宮殿に行った後は、「ガムラスタン」というストックホルムの旧市街地へ向かいました。ここはスウェーデンでは有名なところの一つで、その街並みがとても美しいと評判のようで、ぜひ行ってみたいと鼻息荒くしていたところでした。




いざ行ってみると、街並みがもう…歩くだけで楽しい。どこの通りに行っても映え、映え、映えの連続。お店に入ってショッピングするのももちろん楽しかったんですが、とにかく歩いては、いろんな通りで写真を撮って楽しんでいました。

この2日間、自由行動の時間をフル活用し、楽しみつくしました。明日からはいよいよ本格的にプログラムがスタートします。この2日間で、スウェーデンの文化を浴びに浴びたので、明日からのプログラムにも活きてくると信じて、頑張っていこうと思います!
(植松俊太郎・小田さくら)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。


研修報告: 海外学校臨床実習 2日目

10月8日(土)

約12時間のフライトを終え、経由地のヘルシンキにつきました!
予定よりも1時間半も早くの到着です。

とりあえず一安心というところでしょうか、出発のときに比べみなさんから緊張感がなくなっているように感じます。ただ、12時間座りっぱなしというのはやはり疲れますね。ストックホルムまであと少し! 頑張りましょう!



ヘルシンキから約1時間飛行機に乗り、無事ストックホルムに到着しました!
現地時間で朝の8時ごろです。


ホテルにチェックインし、荷物を預かってもらったら、これから今日明日となんと自由行動!せっかくのスウェーデン、楽しみ尽くします!

今回一緒にスウェーデンに行く仲間とこの日のために計画を練ってきました。長旅で疲れているからだなんて一切に気にせず、さっそうと街へ出かけていきます。

まず向かったのはストックホルム市立図書館!ここはドーム状の建物の壁一面に本棚があって、圧巻の光景でした。日本人の作品はないかなあと探してみると、村上春樹さんの作品やワンピース・ナルトなどの日本の漫画もたくさんありました。スウェーデンでも日本の本が読まれていることに驚きです。




そんなこんなでお昼になったので、お店を探していると、「ITAMAE」というお寿司屋さんを見つけました。スウェーデンではどんなお寿司が出てくるのか、気になりすぎて、せっかくスウェーデンに来ましたが、お昼は寿司にしました。



「nami」(並み?)を注文。写真にあるようなお寿司が登場しました。それぞれソースがかかっていて、醤油なしでもおいしく食べられました。本に、お寿司と、日本の文化を見つけることができてちょっとうれしくなった午前でした。

午後は、ストックホルム市庁舎へ向かいました。レンガ造りの建物は、本当にかっこよくて言葉を失います。昔から大切に使われているからこその雰囲気があり、現代の技術をもってしても、こんなにかっこいい建物は絶対に作れないと思いました。市庁舎といえる風格が確かにありました。



夜はここで、ノーベル賞受賞者が実際に食べたメニューを出してくれるレストランでディナーをいただきました。メニューは、2019年のノーベル賞受賞者が食べたものでした。飲み物、前菜、メイン、デザートと、満足感がすごかったです。(ちょっと学生には早すぎたかな…おいしさを言葉にできません…でも、ノーベル賞受賞者の気分も味わえました(笑))



ほかにも訪れた場所や新しく出会ったものが多く紹介しきれませんが、ストックホルムを納得いくまで満喫できた一日でした。多分ホテルに戻ったら疲れでくっすり寝られますね。なんと明日も1日自由行動なので、また今日とは違った角度で楽しみます!
(植松俊太郎・小田さくら)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

研修報告: 海外学校臨床実習 1日目

10月7日(金)

羽田空港に集合しました!
みな無事にチェックインを終え、いよいよスウェーデンに飛び立ちます!

大学1年生から大学院2年、現職の先生、大学教授陣と、実に年齢層の広いメンバー構成となっております。これからストックホルムまで約15時間のフライトです。海外へは初のメンバーも多く、ドキドキです。まずは無事に到着できますように。


(植松俊太郎・小田さくら)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年4月22日金曜日

スウェーデンでドローンを飛ばすには

スウェーデンでは、2021年1月から新しい法律ができ、EUのドローン規制との整合するようになりました。以下では、日本からドローン(DJI Air 2S)を持っていき、現地で飛行・撮影し、SNS等に掲載するまでの道のりを紹介します。なお、情報は記事執筆時点のものですので、最新の規制等は各自でご確認ください。



1. 日本からドローンを持っていく

2022年4月に、ドーハ経由のカタール航空便でストックホルムへ向かいました。事前にカタール航空のホームページを調べると、ドローン本体とリチウムイオン電池のそれぞれに持ち込み規制がありました。そのため、成田のチェックインカウンターでドローンを持っていきたいことを申告すると、地上係員が付き添って出発フロアの一番端にある手荷物検査場(成田空港第2ターミナル3階の地図の左下、7のあたり)に案内されました。

手荷物検査場では、ドローン本体はスキャンのみで通り、バッテリーについては一度カバンから出して、容量を確認していました。カタール航空では100wHより大きいリチウムイオン電池は持ち込めないことになっていますが、DJI Air 2Sは40.42wH(写真の黄色マーカー部分)のため、その表示が確認できれば預けられます。機内に持ち込むと乗り継ぎでも面倒になるので、預け荷物に入れました(カタール航空のウェブサイトには「本体は機内持ち込み」と書いてありましたが、預けられました)。
追記(2022/04/24): 復路便では機内持ち込みのみ可(預け荷物は不可)ということで、預け荷物から取り出されました。


2. オペレーター登録

ドローンの機体登録や免許はTransportstyrelsen(交通局)が管理しています。そこで、まずは交通局のホームページから「ドローンページ」にログインします。(BankID等がないと入れません)

次に、オペレーター(operatör)として登録します。18歳以上が登録でき、登録料は50SEKです。
オペレーター登録が済むと、メールあてに即座に通知書が届きます。また、「ドローンページ」にもオペレーターIDが表示されます。

3. オペレーターIDを本体に貼る

オペレーターIDは自分で適当な紙に印刷して、ドローン本体にテープ等で貼りつけます(センサー類に支障がないように、脇腹などに)。

なお、2022年12月までは経過措置として上記方法で対応できますが、2023年以降はCEマークとCマークの認証を受け、リモートID機能がついた機体のみ飛行できます。2022年までに登録された機体は引き続き飛行できます。

4. ドローンカード(免許)の取得

15歳以上の人はドローンパイロット(fjärrpilot)になれます。ドローンパイロットには以下の3種類があります。
  • オープン(Öppen): 高度120m、ドローン重量25kgまで。航空機や人、動物や環境などに危害を与えるリスクが少ない場合
  • スペシフィック(Specifik): オープンに加え、リスクのある飛行をする場合
  • サーティファイド(Certiferad): 人を輸送したり、群衆の上空を飛行するなど、高いリスクがある場合
オープンにはサブカテゴリーがあり、A1/A3とA2という2つの種別があります。いずれもスウェーデンで取得すると、EU全域で飛ばせるようになります。免許種別は機体の重さや速さによって異なります。A1/A3については天気や物資の輸送などに関する一部の学習内容が省略されているため、飛行できる条件に制限があります。A2は少しだけ学習内容が追加されますが、A1/A3とA2をまとめて取得するほうがいいと思います。いずれも130SEKかかります。A1/A3は座学のみでオンライン試験を受け、40問のうち75%以上が正解なら即座にカードが発行されます。また、A2を追加で取得する場合、座学についてはオンライン試験で、30問のうち75%以上の正解が必要です。また、実技も求められますが、これはPDFのチェックリストをダウンロードして、操縦をしたことを自己申告します。オンライン試験(座学)に受かった直後に自己申告してもカードが発給されました。

ドローンカードの期限は発給から5年後の月末となっていて、A1/A3からA2にアップグレードした場合には、A1/A3についても、A2の試験の合格日を基準にこの期間が延長されます。


スペシフィックには能力証明書(kompetensintyg)、サーティファイドには操縦者証(fjärrpilotcertifikat)がそれぞれ別にあります。
自分がどのカテゴリー・サブカテゴリーか不明な場合には、ドローンガイドで調べることができます。

5. ドローンパイロット用のベストを買う

ドローンを飛ばすときには、ドローンカードを携帯し、ベストを着る必要があります。そのため、インターネットで買いました


6. ドローンを飛ばす

ドローンを飛ばす前に、少なくとも以下の4点を確認する必要があります。   

    ①Luftfartsverket(航空局; LFV)のドローンマップ
        空港や軍事施設周辺など、ドローン規制に関する情報を集めた地図
    NOTAM, AIP, AIP SUP 
        航空関係施設、業務、方式と危険等に係わる設定や状態、変更等についての情報
    自然保護マップ
        自然保護地区などを示した地図
    ④飛行予定地に「撮影禁止」と表示された場所がないかを確認(徒歩で見て回る)

①のドローンマップで制限がかかっている場合、制限の内容を読んで飛ばせるかどうかを確認します。空港の周囲5km圏は特別な許可がない限り飛ばせません。また、空港の周辺20km圏については、軽い機体であれば高度10mまでは特別な許可なしに飛ばすことができますが、そういった情報が載っています。

②NOTAMに記載事項がある場合には、飛ばせません。

③自然保護マップに乗っている地区の場合、上空を飛ばすのは難しいので、それ以外の場所から飛ばすようにします。

④飛行予定地内に、私有地などで「撮影禁止」と表示されている場合には、撮影することはできません。


7. 撮った映像をインターネットに載せる

ドローン映像は安易にインターネットに掲載することはできません。違法にアップロードした場合、罰金刑あるいは1年以下の懲役刑の対象となります。

次の条件を満たす場合には、特別な許可なくSNS等にアップロードできます。
    ①6. の飛行条件を満たしている
    ②私有地あるいは公共の場所で撮影の許可があり、それ以外のものが映り込んでいない
    ③地平線より上(つまり、空)が入っていない
    ④水辺が映り込んでいない
    ⑤森などで、上空から俯瞰したものでないもの(全体像が分からないもの)

上記以外の場合、
    ・陸上の風景にについてはLantmäteriet(国土測量庁)に頒布許可(spridningstillstånd)申請をします。
        こちらはウェブフォームで申請し、ビデオファイル等を送信します。
        BankID等がなくても、海外在住でも申請できます。
        早ければ5営業日程度でメールあてに許可通知が届きます。


    ・水辺が映っている場合には、Sjöfartsverket(海運局)に頒布許可を申請します。
        こちらはウェブフォームがないので、メールで申請します。

また、許可なく飛行・撮影あるいは頒布したことにより罰金を科された例として、2015年6月にウプサラ在住の操縦者がヘッレフォシュ(Hällefors)周辺の野鳥保護区で撮影し、33000クローナを科された事例や、頒布許可を取らずにYouTubeに掲載したとして64000クローナを科された事例、2023年にイベント上空で撮影し35000クローナを科された事例などがあります。自然保護区や国防上の理由で地理情報を保護する必要がある場所、イベント上空などを飛行し、その映像を公開する際には、大きなトラブルに発展する可能性がありますので、必要な許可を取るようにしましょう。

信州大学ドローンクラブ(SDC)は、信州大学教育学部の教職員・学生・院生を中心に活動し、教職大学院科目「教育課題教材開発演習」等を通じてドローンの教育活用に取り組んでいます。