アメリカの教育動向(久原みな子)
米国では、10月の第2月曜日は連邦の定める祝日「コロンブス・デー」となっている。これは、アメリカ大陸を「発見」したとされるクリストファー・コロンブスの上陸を記念して始まったものだが、ネイティブ・アメリカンの団体らを中心に、コロンブスはネイティブ・アメリカンの虐殺、奴隷制、植民地化の始まりを象徴するものとして、長くこの祝日に対する反対運動が行われてきた。銀行や郵便局などがこれまで通り休業する一方、近年、多くの州や都市、学区が「先住民の日Indigenous
People's Day」とこの日の名称を変え、学校も登校日とし、ネイティブ・アメリカンの遺産と歴史をたたえ、学ぶ日として新たに認定し始めている。今年になってロス・アンジェルスなどの都市が新たに「先住民の日」の採用を決定したほか、例えばニューヨーク州シラキューズの教育員会では、今週「先住民の日」採用の可否を問う投票が行われる。また、11月は、ネイティヴ・アメリカンの文化や歴史、問題を認識しさまざまなプログラムをとおして学ぶことを推奨するNative American Heritage Monthネイティヴ・アメリカンの遺産月間となっている。
“Words
You'll Hear: Indigenous Peoples Day.” NPR, 2017/10/8.
“How
Social Studies Educators Approach The Holiday Named For Columbus.” NPR,
2017/10/10.
Catie O'Toole. “Should
Syracuse school board replace Columbus Day with Indigenous Peoples' Day? You
vote.” Syracyse.com, 2017/10/10.
Leah Shafer and Bari Walsh. “The
Columbus Day Problem.” Usable Knowledge (Harvard Graduate School of Education),
2017/10/5.