※信州大学教育学部とウプサラ大学教育学部は学術交流協定を締結しています。両校はこの協定をもとに、学生・院生の相互派遣、教職員・研究者の交流、大学院教育における協力、学術情報交換、共同研究、会合やシンポジウムの開催などの取り組みを実施し、教育・研究の一層の充実につなげることを目指します。本セミナーには、国際共修科目「Education in Global Perspectives II/III」を受講する学生も参加します。
今期の国際交流委員会では、2017年の大会時に国際シンポジウム「国際アセスメント時代における教育行政」を開催した。2019年3月にはJ. ジェニングズ著『アメリカ教育改革のポリティクス―公正を求めた50年の闘い―』書評会を開き、5月には韓国での国際シンポジウム「政策変容期における政策の安定性・合理性確保のメカニズムに関する国際比較」に参加している。また、8月には世界教育学会(WERA)でシンポジウム「Externalization and Internalization: Referencing and adaptation of external policies in the Japanese education system」を開催した他、講演会「グローバルシティにおける教育改革とスクールリーダーシップの動向と展望」を行った。こうした機会を通じて、グローバル化と教育政策、教育と政治との関係性、Externalization and Internalizationについて議論を深めてきた。本企画はこれらの議論をベースにしている。
【報告者略歴】
Bob Lingard: クイーンズランド大学教授、社会学的視点から教育政策を研究し、Global Education Policyやテスト政策について、多くの論文・著作を発表。主な近著に、Globalizing Educational Accountabilities (Routledge, 2016), The International Handbook of Global Education Policy (Wiley, 2016), National Testing in Schools: An Australian Assessment (Routledge, 2016)など
Eva Forsberg: ウプサラ大学教授、数々の研究プロジェクトのリーダーを歴任する中で、教育ガバナンスやアセスメント文化の研究を進めている。主な近著に、Mølstad, C., Pettersson, D. & Forsberg, E. (forthcoming) A Game of Thrones: Organising and Legitimising Knowledge through PISA Research. European Educational Research Journal.
Daniel Pettersson: イェヴレ大学准教授、Dr. Eva Forsbergとともに、現代における国際アセスメント指標の活用実態と歴史についての研究を進める。主な近著にLindblad, S., Pettersson, D. & Popkewitz, T.S. (forthcoming) Numbers, Education and the Making of Society: International Assessments and Its Expertise. Routledge: London & New York.
金 龍: 清州教育大学教授、教育改革や規制緩和改革について、批判的検討を行い、研究を進めている。主な近著に、Tracing the discourse of autonomy around the education reform of the 1990s in Korea: A critical discourse analysis (Journal of Educational Administration and Policy, v.1.n.1. 2016. pp.41-52)
1日目の前半は、シンガポール国立教育研究所のチー・キット・ルーイ教授に「ICTが授業と学習をどう変えるのか(How does ICT change teaching and learning?)」と題して1時間弱の基調講演をしていただきました。
1日目の後半は、グループごとに分かれ、「10年後の学校(教育)はどうなっているだろう」かを考えるワークショップを行いました。