2016年11月12日土曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 5日目

欧州教育視察5日目です。

今日は今回の視察のメインであるロリス・マグラッツィセンターと子ども用アート・ライブラリーを訪問しました。


朝から研修センターに向けて3キロのモーニングウォーキングをしました。
朝にしてはなかなかヘビーな距離だと21歳ながらに感じました。

午前中は研修センターでペタゴジスタの方のお話を聞き、レッジョ・エミリアの教育機関や方針について学びました。
特に印象に残っているのは、ドキュメンテーションについてです。
私は教育実習で毎日毎時間授業の観察で1人の子どもに寄り添い、表情や言動から何に影響を受けたのかなど、子どもの姿を見つめて来ました。
しかし、なぜこんなにも子どもをその場で記録をするのか、観察自体にに半分疑問を抱いていました。
しかし、このプレゼンを聞いていく中で記録をしているうちに実際と自分の解釈のずれに気づけるのだと改めてドキュメンテーションの大切さを学ぶことができました。

お昼ご飯は研修センターで食べました。
みんな後先考えずにブッフェを頼んだため、根気で食べるハメになりましたがみんな変な意地とプライドにかけ食べきりました。

午後は今回新しく取り入れた「デジタルと自然のボーダーレス」をテーマにしたアトリエで4つの班に分かれ、実際にプロジェクトを体験しました。
私達の班は赤外線カメラを使って表現しました。
最初は何をテーマにするか迷いましたが、「この形、鳥のくちばしに見える」という発言から外で見つけた草木が鳥の巣に見えるというように、次々に発想が広がって行きました。
このように、他の子ども達も他の子と関わっていく中で新しい見方が生まれていくのだと身をもって感じました。

その後、ミュージアムに移動し、ワークショップをしました。


私は以前、心の教育フォーラムで絵本の読み聞かせにおいて、本を読んでいく上で言葉を大切にし、想像力を高める可能性を「おはなし」という絵や文字のない読み聞かせを体験する中で実感しました。
今回は逆に絵本のアートに想像力を掻き立てられることに気づきました。
文字や言葉が無くとも、絵1つから様々なものの形や姿を連想したりしていくことに絵本のパワーを感じました。

明日は視察最終日。
今日まで学んできたことをさらに明日に繋げ、深めていきたいです。

(担当: 木暮美咲)

※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月11日金曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 4日目

欧州教育視察4日目です。

今日はオランダからイタリアへの移動日でした。


オランダのアムステルダム空港は出国審査が厳しくて、私は日本から持参した耳鼻科の薬を麻薬だと疑われて、スーツのおじさんと30分くらい格闘しました(泣)

イタリアのフィレンツェへは二時間弱で着きました。
着いた時間がお昼だったので、空港のレストランでワインや生ハム、パスタなど各々好きなものを食べました。

私は昨日からパスタのカルボナーラが食べたいと言っていたのですが、残念ながらカルボナーラは無く、トマトベースのポモドーロのパスタを食べました。
日本より麺ががっちりしていて、お腹いっぱいになりました…

午後はフィレンツェ視察という名の観光!!
ディズニー好きな私は、ディズニーシーのモチーフのヴェッキオ橋に行けるということでワクワクでした。

ヴェッキオ橋を含め、フィレンツェは街自体が世界遺産に登録されているので、Theイタリアな素晴らしい景色を楽しむことができました。

そして、イタリアと言えばジェラート!
何種類かのジェラートを買って、みんなでシェアしました!
ティラミス、ピスタチオ、レモン、ヨーグルト…どれも美味しかったです!
大きくて完食するのが大変でした(笑)

ジェラートを食べた後、ウフィツィ美術館に行きました。
ボッティチェリの「春」と「ヴィーナスの誕生」が有名で、館内はとても広く一時間では中々見切れませんでした。

美術館の外にヨーロッパ限定ポケモンのバリヤードが居て、みんなで記念撮影をしました。
林先生と水谷さんはとても嬉しそうでした。

その後はサンタマリア大聖堂を見に行きました。
行く途中お店が沢山あり、イタリアのディズニーストアを見つけたのですが入れなくて残念でした。

サンタマリア大聖堂はものすごくデカくて迫力があり、見るだけで感動しました。

フィレンツェを一通り見た後は、次の日の教育視察に向け、フィレンツェからレッジョ・エミリアへバスで二時間かけて移動しました。

ホテルHoliday Inn Expressレッジョ・エミリアに三日間お世話になります。
夜はピザを食べに外に行く人と各自で済ませる人に分かれました。

現教3年女子4人はホテルのレストランで済ませました。
念願のカルボナーラを食べました。
チーズとベーコンの味がとても強く、日本のカルボナーラとは全然違いました。

明日からいよいよレッジョ・エミリアの視察が始まります。
レッジョ・エミリアの中に入れることだけで貴重なのですが、プログラムに参加させて頂けるということで、色んなことを吸収できるよう頑張りたいです!

(担当:久保田朱音)
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※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

教育動向:学校での瞑想とヨガ



アメリカの教育動向(久原みな子)

近年アメリカの学校では瞑想を取り入れるところが増えている。特に、犯罪率が高い貧困学区では、悪いことをした生徒に罰を与えるのではなく、怒りやストレスをコントロールし、精神的安定をもたらすために瞑想の時間や場所を設けている。瞑想を取りれたあとでは、実際に集中力がつくなど生徒の行動に変化が見られたり、成績が上がったりする場合も多いという。瞑想のこうした効果に関してはさまざまな研究があり、また学校における子どもたちの瞑想の普及に特化したMindUPやMindful Schoolsといった団体、教師のマインドフルネス実践についての研究プロジェクト、Cultivating Awareness and Resilience in Education (CARE)などがあり、さらなる実践と研究がすすめられている。

こうした瞑想やマインドフルネスの取り組みと同時に、ヨガが体育のカリキュラムに組み込まれることも増えている。しかし、瞑想やヨガの実践が、仏教やヒンドゥー教の教えから不可分でないとして反対運動が起こっている場合もある。カリフォルニア州のある学区では、2013年に、公立学校でのアシュタンガ・ヨガのクラスが生徒の家族の宗教的信条を侵害するとして学区を相手どる訴訟が起こっている。






2016年11月10日木曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 3日目

今日も、自転車がびゅんびゅん走ってます。
ベルの音がしたら自転車が突っ込んでくるから気をつけないといけません。

電車と徒歩で学校へ。
霜が降りています。
凍えながら今日の参観校、ダルトンスクールへ到着!
ここでは、まず中学1年生、12歳の生徒から彼らの行っているダルトンアワーのレクチャーを受けました。

中学1年生はダルトンアワーを初めて数ヶ月、ようやく慣れ始めたところだそうです。
そんな中、普段の学びについて改めて考え、外国人に分かりやすく英語で伝えるというのは、生徒達にとって大きな挑戦だったと思います。
そして、私達参観者にとってそれは、大きすぎる挑戦でした。
生徒とマンツーマン、英語でダルトン教育のレクチャーを受ける!
とっても貴重な機会を頂きました。
そして、心の底からもっと英語を勉強しなきゃと感じました。

次に、最終学年高校3年の生徒から、彼らの卒業研究についてPBL(Project-Based Learning)の視点から説明を受けました。
彼らはまだ高校生だけど、やっていることは既に研究者の域でした。

この学校でのPBLは、どういうものかを高校生に質問すると、研究テーマを定め、その問題を解決するために、いくつもの教科を用いて進めるものという答えが返ってきました。

その後、日本PBL研究所の先生からPBLの定義の話がされました。
PBLでは、自分の生活との関連からテーマを見つけ、問題解決のために何をしないといけないかリストアップして、計画した上で、自身でリフレクションを行うことが重要であるという話がされました。
この話を受け、学校の実際としては、カリキュラムとしてリフレクションが位置づいている訳ではないが、先生によっては丁寧なリフレクションのサポートがされるとのことでした。

私たちに自己の研究を説明説明してくれた学生は学校内でもトップクラスの成績であることもあって、とても自信に満ち溢れていて、ダルトン教育を受けていることにも誇りを持っている様子が印象的でした。

そしてその姿から、子どもが伸びていくには自分自身の可能性を信じられるかこそが重要だと感じました。
この学校では教師は子どものプロジェクトを応援するアドバイザーという立ち位置だそうです。
教師がプロジェクトを行う意義をはっきりさせ、子どもたちが自信をもって自身の興味に向かっていてるようにサポートすることが重要なのだと思いました。

今回の視察だけでは、その全てを理解しきれなかったように思います。
でも、だからこそ、よりダルトン教育への興味がわきました。
今日感じた「もっと知りたい、学びたい」の気持ちを忘れないようにしたいです。

さて、視察後は遅いお昼として運河の河川敷の見渡せるパンケーキやさんへ行きました。とってもおしゃれで雰囲気のあるお店!
ベーコン、ハム、パイナップルとチーズのパンケーキ。
それに砂糖やメイプルシロップをかけて食べます。
なんだか、お好み焼きとかチヂミみたい。

そして、世界遺産!オランダと言ったら風車!たくさん写真撮りました。

時間がおしてしまったので、美術館でレンブラントの「夜警」ではなくて、アムステルダムの夜景を見ることに!
いざ、極寒クルージングへ。
 伝統的なものから近代的なものまで不思議な建築がたくさんあります。
どの建物も生活感がなくて、おしゃれな装飾がしてあって、見ていて飽きません。
外から見られることを強く意識してあるように思いました。
また、運河に浮かぶ船の中にも人が住んでいる?レストランがある?ようでとっても不思議でした。
見応え抜群の運河クルーズ。
極寒にも関わらず、もう一周したいという声もありました!

おしゃれで外から丸見えの建物みていたら、アムステルダムの人達がどんな自意識を持っているのかが気になりました。

オランダは今日でおしまい。


身長の高い人たちが、びゅんびゅん自転車に乗るスタイリッシュな国でした。
また来たいな〜〜〜
(担当: 丸山友紀)

※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月9日水曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 2日目

欧州教育視察2日目です。

本日は、FreinetschoolとParkschoolの2校に別れて視察に行ってきました。

可愛らしい校舎と素敵な校長先生が温かく迎えてくださいました。

私は、Freinetschoolに視察に行きました。
通訳がなく、学校の先生や子供たちと直接英語でのやり取りで緊張しましたが、拙い英語にもみなさん笑顔で対応してくれました。

最も印象に残ったのは、同じ空間にいるのに、やっている事は、バラバラということです。
空き缶を作品を作る子、地図をみて学習する子、自分で考えた物語をノートにまとめる子など、自分の学びに打ち込む姿が見られました。
子供たちの学びに支障をきたさない環境の充実も自分の目で確かめることが出来ました。
 「勉強が楽しい!」と言葉が通じなくても表情で伝わってきました。

学校視察が午前中で終わったので、午後からは自由時間を満喫しました。

チーズ屋さんを覗いたり、お店で買い食いしたり、街を歩いているだけで楽しかったです。



なんと言っても、外せないのはマウリッツ美術館です。
かの有名な真珠の耳飾りの少女を拝見しました。鳥肌がたちました。
本物に触れることの大切さを実感しましたね。

明日は、学校視察と世界遺産のキンデルダイクです。ワクワクして眠れませんね!

名残惜しいですがここらでお別れです。 明日の更新もお楽しみに

(担当: 上原真代)


※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月8日火曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 1日目

欧州教育視察1日目です。

11月6日〜11月13日までの8日間、オランダのフレネ教育とドルトン教育、イタリアのレッジョ・エミリア・アプローチを行う教育現場を見て学んできます。


信州大学からの参加者は

  • 教職大学院1年 丸山友紀
  • 現代教育コース3年 井上楓
  • 現代教育コース3年 上原真代
  • 現代教育コース3年 木暮美咲
  • 現代教育コース3年 久保田朱音
の計5人の参加となりました。

成田空港に向かうまでに2人がバスに乗り遅れるトラブルもありましたが、無事に集合時間に間に合うことができました。

飛行時間12時間の後、オランダに到着です!
機内では映画を見たりゲームをしたり、または寝るなど……各々自由な時間を過ごしました。
到着時には虹がお出迎えをしてくれましたよ!


初日はホテルに向かい、ディナーを食べて終わってしまいました。
ホテルに向かうまでに古い建築物やレンガを基調としてるもの、またはガラス張りの建物など日本とは別に趣のある街並みで感動しました。

明日から学校視察が始まります。
自分たちが知らない生の教育現場を肌で感じてきたいと思います。

一日32時間という不思議な日でしたが、明日から時差ボケに負けずに視察頑張ります!


(担当: 井上楓)






※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月4日金曜日

教育動向:ワシントン・ポスト紙の教育に関する質問にクリントン候補が回答(2)



アメリカの教育動向(久原みな子)

前回に引き続き、間近に迫った大統領選に向けての選挙活動が本格化する中、ワシントン・ポスト紙が掲載したヒラリー・クリントンの教育政策に関する回答をお届けする。

まず、この数年絶えず議論の的となっている標準テストに関しては、ESSAEvery Student Succeeds Act/すべての生徒が成功する法)のもと、州と学区により多くの裁量を与えることにより、テストの数を減らし、したがって「Opt-out(標準テストを子どもに受けさせない)」の動きも必要がなくなるはずであると述べている。同様に、コモン・コアのあり方についても、高い学力基準を各州が持つことには賛成であるが、連邦政府・教育省はこれまでと同様、特定のコモン・コアを強要することは避けるべきであるとしている。連邦政府の教育における役割は、1965年の初等中等教育法(the Elementary and Secondary Education Act)ではじめて連邦資金が教育に投入された時から変わらず、すべての子どもたちがよい教育を受けられるようにすること、特に貧困により歴史的な不利益を受けている子どもたちを守ることであると述べた。

その他、高等教育の学費ローンの問題、教育における人種問題、チャーター・スクールや虚行くバウチャー制度などに関する質問にも答えている他、いくつかの個人的な質問にも回答している(例えば、子どもの時、最も苦手だった科目は、合唱であることなど)。