2023年6月2日金曜日

研究紹介: 全国170の自治体が「公営塾」を設置 ~公営塾研究プロジェクトによる全国自治体調査の結果を公表~

公営塾研究プロジェクト(JSPS科研費JP21K18501)では、全国の自治体を対象に「公営塾」を設置しているか等を問う質問紙調査を行いました。調査は2022年1月から3月にかけて実施し、約3分の1の自治体から回答がありました。このうち170の自治体が「公営塾」を設置していることが分かりました。回答の分析から、「公営塾」あるいは公的学習支援事業の内容や対象者は多様であることが分かり、さらなる調査の必要性が明らかになりました。




詳しくは公営塾研究プロジェクトのウェブサイト(https://publicjuku.com/)をご覧ください。

2022年10月16日日曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 9日目

10月15日(土)

本日私たちは約13時間のフライト経て、日本時刻13時ごろに帰国しました!

飛行機の中で10日間の研修を振り返ると、たくさんの楽しかったことや、学校訪問で学んだことを思い出すことができました。10人全員がなんとか無事帰国することができ、一安心です!


朝方の機内からはとても神秘的な景色が見えました。10日間やり切った私たちを褒めてくれ他のかもしれませんね。


しばらくして飛行機の窓から小さな富士山が見えたときは、日本に帰ってきたんだなと実感しました。


飛行機から降りると、ほとんど全員がマスクをつけていて、日本だなぁと改めて感じました。スウェーデンではマスクをしている人はほとんどおらず、逆にマスクをしている人が異様に見えてしまうくらいだったので...

また、日本はスウェーデンと違い随分暖かいなと思いました。スウェーデンでは寒い日も外でのびのびと遊ぶ子どもたちの姿が印象的でした。そんなスウェーデンで出会った子どもたちを思い出すと、(帰国して間もないですが)スウェーデンが恋しくなりました。

今回学んだスウェーデンの教育を、今後の学びに繋げたり、他の学生達にも共有していきたいと思います。日本とどちらの教育が優れているかではなく、違いを知ることで見えてくるものがあるのだと感じました。今後の学校教育をより良いものにしていけるように努力あるのみです!

又、フィーカ(コーヒーと一緒に甘いお菓子を食べる文化)などの生活スタイルもたくさん取り入れていきたいと思います。


(竹内葵)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月15日土曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 8日目

10月14日(金)

今日は、学校訪問最終日でした。

私は、音楽の授業を参観しました。

5年生の授業では、ルシア祭で歌う曲を、先生の弾くギターに合わせて一緒に歌いました。ルシア祭は、スウェーデンで毎年12月13日に行われる大切な行事です。ルシア祭では、ロウソクの冠を被ったルシア姫を先頭に同じく白いドレスを着た女の子と星の使いに扮した男の子が行列を作って歌を歌うそうです。「Natten går tunga fjät」「Godmorgon, Mitt Herrskap」「Lusse lelle」という3曲を歌いました。子どもたちは音楽に合わせて体を動かしながら、とても楽しそうに歌っていました。授業後、担当の先生がルシア祭の動画を見せてくれました。暗い中で光るキャンドルの灯りや歌声がとてもすてきで、参加したくなりました。

6年生の授業では、ドラムのテストをしていました。Queenの「We will rock you」に合わせて、1人ずつドラムを演奏します。友達の演奏を見ることもとても大切な勉強で、体でリズムを覚えることが大切なのだと教えていただきました。苦手な友達に対しても、みんなで応援し、先生にも助けてもらえる安心感から、誰もが積極的に挑戦できる。そんな温かい雰囲気を感じられるとても心温まる授業でした。授業後には、ドラムの演奏も体験させていただきました!


私は今日もたくさんの活動に参加させていただきました。そして感じたことは、子供たちが学校で過ごす時間をとても楽しんでいるということです。

今日、ある小学生のグループが私にスウェーデンの作家についてのプレゼンをしてくれました。英語で私に説明してくれたことにも驚きましたが、彼らの作ったスライドには、クイズや実際に本を購入することができるページに飛ぶリンク、作者についてのもっと細かい説明を見ることができるページに飛ぶことができるリンクがつけられていました。どうしたらもっと面白い発表ができるか、仲間と相談しながら準備をしていました。子供たちが、心から楽しんで追究している姿を見て、私もこんな風に学べる授業を作りたいと感じました。短い期間でしたが、学校訪問を通して、様々な経験をすることができました。そして、思い切り楽しんでする勉強は最高なのだとわかりました。これからもとても奥が深い教育という分野について探求心をもって学んでいきたいです。

 
セーデルマルムの公園で面白い像を見つけました。不思議な生物で、なにかはわかりませんでした。お尻がとてもかわいいです。


(六川麻耶・前田彩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

研修報告: 海外学校臨床実習 7日目

10月13日(木)

今日は学校訪問2日目でした。私は主に図画工作の授業を見ました。ニューログラフィックアート、カラーイラストの一部をモノクロにして大きな紙に描くグループワーク、絵の具とクレヨンで楓の葉を描く活動、ハロウィンの絵を描く活動を見ました。私が一番驚いたことは、授業中に音楽が流れていたことです。今日はハロウィンにちなんだ曲が流れていました。子どもたちはセリフ付のBGMを聞き、時々クスクス笑いながらリラックスして制作していました。楽しそうでした。

初めて聞いたニューログラフィックアート、特にこれは心をリラックスさせた状態で描くとが重要だそうです。とてもスピリチュアルな不思議な雰囲気の作品をいっぱい見ることができました。
 

楓の葉の作品は、乾いたら大きな木に貼ります。作品は本物の葉のように一枚一枚全然違っていて、個性があり見ていてとても面白かったです。
 

どの活動にも共通していることは先生が最初に一通りやり方、テクニックを説明し、その方法通りにやるということでした。日本の図工や美術の授業では、個性を大事にすることを重視しているのか、あまりテクニックなどは教えてくれません。しかし、テクニックを教えたうえで個性が見られる作品ができることを今回学びました。


夜は各学校の先生を私たちが宿泊しているホテルにお招きして一緒にディナータイムを過ごしました。それぞれ、お世話になっている学校の先生と美味しい食事を囲みながら学校のことや、国のことについてたくさんお話しできました。


スウェーデンの先生は日本の先生のように朝から晩まで働くということはあまりないとお聞きしました。学校の子どもも大切だけど自分の家の子どもも大切にしている姿が素敵でした。また、スウェーデンにはFIKAという3時のお茶タイムがあり、先生たちにとっても大切なリフレッシュの時間だそうです。他にも日本の学校や文化もたくさん伝えました。

スウェーデンの素敵な文化をたくさん知れてとても楽しいディナーでした。
(中澤そよぎ・片桐侑大)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月14日金曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 6日目

10月12日(水)

日本では秋晴れの陽気が心地よい頃かと思いますが、本日のストックホルムは寒さが身に染みる朝となりました。私はそろそろ和食が恋しくなってきて、日本から持参したインスタント味噌汁を少しずつ大切に飲んでは望郷の念に駆られるのでした...


さて、本日よりプログラムの参加者は、受け入れてくださるスウェーデンの学校へとそれぞれ赴きました。(Neglinge skola, Boo Gård Skola, Björknässkola)

本日のブログはBjörknässkolaについてです。

まず、日本の学校との違いを感じたのは職員室でした。私が抱いている職員室のイメージといえば、多忙な教員が眠気覚ましに飲むコーヒーの香りがする生徒にとってなんとも入りにくい空間です。一方、こちらの学校の職員室でも同じようにコーヒーの良い香りを感じられますが、香りと共にあるのは疲れではなくほほえみや笑い声でした。このような職員室であれば、私はスキップしながら通勤するでしょう。

 
学校紹介が終わると、次はいよいよ授業参観です!

7年生のスウェーデン語の授業と8、9年生の英語の授業を参観。スウェーデン語の授業は鉛筆と紙をほとんど使わず、コンピューターで学習していました。アプリで生徒の出席、遅刻、成績などを管理し、親も生徒の状況を見ることができるようになっています。わが子の学習状況を知ることができるのは親にとってうれしいことですね!


8年生の英語の授業では、好きな作曲家について発表の準備をしていました。生徒たちは作曲家について英語を使ってインターネットで調べ、各自でプレゼンテーションを作っていました。スウェーデンの8年生は日本でいう中学2年生。流暢な英語やクオリティの高いプレゼンテーションは驚きでした!また、自分で書いた英文をgoogle translateに入力し、正しい文章を書けているか確かめている姿も見られました。私たちが大学に入って教わるようなテクニックまで駆使していたのでますます驚きでした!

9年生の英語の授業では、national testに向けてリスニング練習をしていました。national testとは、スウェーデンの生徒が受けるテストで、全部あわせると28種類あるそうです。BBCのリスニング教材を使い、実用的な単語が出ていました。驚いたことに、説明や質問まで授業はすべて英語。スウェーデン語はほとんど話していませんでした。英語に触れる機会が増え、他の言語に頼らない力が付きますね!リスニングの後は英語でのディスカッション。生徒の皆さんは自分の意見を持ち、堂々と発表していて、積極性も見習わなければならないと感じました。「生徒たちはなぜそんなにモチベーションが高いのか」聞いてみたところ、「普段英語の音楽を聴いたり、英語の映画を見たりして英語に触れる機会が多いので英語を楽しみながら勉強できる」ためとのこと。国をまたいでの文化交流を通した、英語との距離が近い環境がスウェーデンの子ども達が英語を学ぶ原動力なのですね!
(松本哲平・竹内葵)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月13日木曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 5日目

10月11日(火)

本日は現地の小学校視察です。水曜日から実習させていただく学校のうち、2校に全員でお邪魔します。一つ目の学校であるNeglingeはストックホルム近郊にある歴史ある昔ながらの小さな学校ですが、一方でBoo Gårdは数年前にできた近代的な建物となっており生徒数も多いです。この違いも意識しながら視察したいと思います。
 

Neglingeには電車で向かいました。今回の電車は改札がなく、電車内でチェックもなかったので無賃でも乗れちゃうのではないかと思ってしまいます(ちゃんと自分たちはお金払ってますよ)。

20分くらい電車に乗り、郊外の住宅地につきました。少し歩くと目的地の学校に到着しました。とても歴史を感じる校舎があり北欧らしさを感じられます。この校舎は1900年ごろストックホルムから建物まるごと移されたらしく築100年を超えているらしいです。

学校内に入ると副校長先生が迎え入れてくださり、部屋の中に入りました。部屋にはたくさんのチョコレートのカップケーキやドーナツみたいなもの、洋ナシ風味の炭酸ドリンクなどを用意して下っていて、豪華に歓迎してくださりました。また、壁には子どもたちの創作物がたくさんあり、こういうところは日本と変わらないなと思いました。

その後副校長先生がこの学校の紹介、日本の算数の授業との比較についてお話していただきました。スウェーデン目線で日本の教育を見ることは、新しい発見にもつながりとてもいい経験となりました。


校舎案内では音楽室兼図工室を見させていただきました。担当の先生がとてもユニークで音楽教育コースの生徒もとても楽しんでいました。


Neglinge の後はBoo Gård に向かいました。Boo Gård では、たくさんの生徒さんが「こんにちは!」と日本語のあいさつで出迎えてくれました。印象的だったのは学校で過ごす子供たちの、キラキラした目と、楽しそうな声です。生徒も先生も、のびのび心地よく過ごし、学ぶことを大切にしている、そんな学校だとわかりました。どのような授業や取り組みをしているのか、明日からのプログラムを通してもっともっと深く知りたいと感じました。



お昼ご飯はBoo Gårdの給食をいただきました。自分で食べたいものを食べたい量食べることができます。日本の給食とはずいぶん違いますよね。学校給食も、Boo Gårdのビュッフェスタイルもどちらもよさがあると思います。学校給食のほかにも、私たちが過ごしてきた学校生活と比べてみるとたくさんの違いを発見できました。



Boo Gårdには就学前の児童が通うプレスクールがあります。子供たちは豊かな自然の中で遊びを通して多くを学んでいきます。先生方はとても研究熱心で、お話を聞いて幼児教育の奥深さを改めて感じました。




学校訪問の後は、再びガムラスタンへ...。夕暮れも町はとても美しかったです。栃木県に行ったことがあるおじさまと、横浜に行ったことがあるチョコレート屋の店主さんに出会いました。二人とも日本語がお上手で、お話しできてうれしかったです。今日まで日本語ならわかるまいと、好き勝手話していました。ですがお二人と交流して、スウェーデンでは日本語がわかる人が意外と多いのかもしれないと気づきました。


(大郷朔矢・前田彩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月12日水曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 4日目

10月10日(月)

いよいよ今日から本格的に研修がスタートしました。朝、ホテルから貸切バスで目的地へ。のはずが、バスが事故に遭って迎えに来られなくなったり、代わりのタクシーが捕まらなかったりと、海外旅行らしいトラブルで幕開け。

そんなこんなで、陽気なミカエルさんが運転する貸切バスで向かったのは、教育学部との協定校であるウプサラ大学(Uppsala Universitet)です。交換留学生として勉強中の清宮さんが出迎えてくれました。このウプサラ大学、なんと北欧で一番古い大学なんだそうです。

まずは大学の周りを散策。みんなでウプサラ城に行きました。スウェーデン王グスタフ1世が住むお城でした。お城といえば戦いですが、なんとこのお城を建て始めた頃にはもう戦国時代が終わっていて、一度も戦いに使われなかったそうです。現在は、ウプサラ県知事が住んでいます。


ランチタイムには、ウプサラ大学の学生さんと一緒に、大学のカフェテリアで食事をしました。ランチは、①ベジタリアン②ソーセージ③チキンから選びました。ソーセージは、スウェーデンの伝統的なものだそうです。紫色のソースは、塩気があってとてもクリーミー。おいしい食事をいただきながら、話題はお互いの国の食文化のことに。スウェーデンで有名なものは、ミートボールにベリーソースをかけたもの、マッシュポテト、サーモンだと教えてくれました。実はどれにも出会えていない私たち...。


 
食事のあとは、とっても目立っている、「2つのとんがり屋根の建物」を目指して歩きました。たどり着いたのは、ウプサラ大聖堂(Uppsala Cathedral)。少し重い扉を開けて中に入ると、美しい装飾と彫刻が一面に広がっていました。中にはいくつか小部屋があって、さまざまな方法で祈りを捧げられるようになっていました。一番多かったのは、“Pray for Peace”。世界中の人たちが、安全に、健康に、暮らせるように。私たちにもできることを探していきます。


 
1日しかないウプサラ訪問でしたが、とても満喫することができました。いい1日だったなあ...と思いながら夕食へ向かうと、なんと、噂のミートボール×ベリーソースとマッシュポテトが! スウェーデンに到着して3日目、やっと「スウェーデン料理」に出会えました。ミートボールは、お肉がぎゅうぎゅうに詰まっていて、歯ごたえがありました。甘酢っぱいベリーソースとの相性は本当に最高です。いま読まれているみなさんは、どんな味を想像されていますか?ぜひ、スウェーデンへ行って味わってみてください♪マッシュポテトも、クリーミーで美味しかったです。

 
明日からはいよいよメインとなる、学校訪問へ行きます。スウェーデンの子どもたちや先生方との出会い、学校の様子を学ぶのがとても楽しみです!
(六川麻耶・片桐侑大・寺島未歩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。