2024年3月16日土曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 6日目

各学校で実習スタート
実習先の学校にもよりますが、生徒の授業に間に合うよう朝早くから実習時間が設定されています。Boo Gårds Skolaが実習先の場合、午前8時に学校に着くようにホテルを午前7時に出ます。

Boo Gårds Skola
配属校(Boo Gårds Skola)での実習初日にはまず、副校長であるミカエラ先生から学校についての詳細、注意事項などの説明を頂きました。その後ミカエラ先生に学校案内をして頂き、各自配属された学年クラスに移動し、担当していただく教師の方について生徒の学びの様子を見学させて頂きました。

基本的に配属されたクラスのタイムスケジュールに合わせて、担当教師の方と共に行動しますが、休み時間やランチタイムなどは生徒と関わることのできる貴重な時間です。

また、スウェーデンの文化である「fika(フィーカ)」のブレイクタイムはとても大切にされており、生徒の情報共有や教員同士のコミュニケーションをするひと時が設けられています。

クラスの雰囲気は、教師によって変わります。しかし、どのクラスも自由な行動をとる子が多くいました。授業中にミサンガを編む子、絵を描いている子、上半身と下半身の向きが逆さまになった状態で机に座っている子など様々な様子の生徒の姿が見られましたが、授業内容は頭に入っており、教師の質問に対しても的確に答えているため、教師側も特に注意している場面は見られませんでした。ただ、誰かが発言している時、リスニングの教材を扱っている時など、耳から情報を取り入れる際にお喋りをしている生徒がいる場合には教師は強く注意していました。また、教室内での席がコの字型に配置されており、教師から生徒の顔が必ず見える状態を保っていること、ひとクラス20人程度に対し教員が2人の体制をとっており、教師が把握できる範囲が広く深くなっていることが手厚い教育制度に繋がっているのだと感じました。


実習初日から濃い体験をしましたが、特に印象に残ったのはランチタイムです。ランチタイムは学年ごとに時間がずれており、交流がクラスの中で完結する日本のお昼時間とは違い、みんなと同じ空間で食事をとるという習慣はとても素敵だと感じました。しかし、ランチはビュッフェ形式なため、お皿にライスだけを取る子や、野菜しか食べない子など、自分の食べたいものだけをとる様子が多く見られ、どんなに栄養士さんがバランスを考えて食事を配置しても、生徒の栄養が偏ってしまうことが少し気になりました。

初日の感想としては、生徒の学習環境や交流に関しての環境が整っており、さすがだなといった印象ですが、食事の偏りをはじめ、忍耐力や協調性、組織性に関して言えば、生徒自身が掃除をしたり、団体で行動をする日本の制度も考えられているのだと考えました。これからの実習を通じて、両国の相違点や類似点などを見つけていきたいと思います
(S. U.)

Welcome to Samskolan
とっても綺麗な外観で感動。Welcome!と笑顔で迎え入れてくださる先生方に感銘を受けながら、Fika Roomに移動。シナモンロールを囲みながらチームリーダーと会話し自分の英語力の低さを痛感。こんな感じで始まった配属先Samskolanでの実習一日目。


最初に学校紹介を全員で受けた後、一人で担当してくださる先生がいる一年生の教室に行きました。着いたらすぐに給食の時間だといわれたのですが10時30分頃だったので驚きながら移動。

食べたいものを食べたいだけ取れるヴァイキング式の給食も素敵だな、と思いながら隣を見てみるとお米しかとっていない子供を発見。日本の学校給食の良さを実感しました。

食べ終わった後は外に出て遊ぶ時間。ずっと同じ友達と遊ぶ、ということはなく、各々好きなことをする、自分がやりたくなくなったら一人で違うところに行く、という遊び方に日本との違いを感じました。また、外遊びは担任の先生ではなく外遊び担当の先生が子供達を見ることにも驚きました。

外遊びが終わり、教室に戻ったら5分間本を読み、時間になると授業が始まります。今日は重心などバランスについてハサミで切った蝶々を使いながら学んでいました。40分くらい経つと二度目の外遊びの時間。帰ってきたら続きの授業をして14時に解散し学校での一日が終了。

15時からはチームリーダー、主任、各教科の代表の先生が受ける校長先生主催のリーダーシップ研修にご招待していただき参加しました。

色々な日本との違いに驚いたのですが一番驚いたのは授業と遊んでいる時間がほぼ1:1だったことです。外で遊ぶことで脳がリフレッシュされ、私も生徒も授業に集中することができたのでいい制度だな、と思ったのと同時に授業が10時30分から14時の3時間半の間で約1時間半しかないのは少なすぎではないのかな、とも感じました。

明日からも日本教育のいいところ、スウェーデン教育から取り入れた方がいいところを沢山見つけていきたいと思います。
(A. Y.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月14日木曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 5日目




Malmaskolanの見学
Malmaskolanの校長先生に学校内を案内していただきながら、午前中見学し、ランチを一緒に食べました。

見学の中で印象に残っているのが、図画工作ルームでの生徒の様子です。日本では、ミシンなど危険を伴う機会を扱う場合、立ったままやらない。先生の話をよく聞き、周囲と同じものを作成する。と、いった事が基本となるかと思います。しかし、スウェーデンの子供たちは自分の興味のあるものをそれぞれで作っており、教師は見守る形で生徒が助けを必要としている時のみヘルプをしている印象でした。このような形式は、それぞれのペースで学習を進めることができるため、とても良いと感じましたが、同時に安全面をどのように管理しているのか気になりました。そこで、校長先生に「How do you keep the children safe?」と聞いてみたところ、答えは、自由にミシンなどを使わせる前に、使い方をしっかりとレクチャーし、正しく使うことができるかテストをしているということでした。

今回の見学では、日本とスウェーデンの教育の違いをとても強く感じました。それぞれの教育の利点や欠点にも、今後は目を向けてみたいです。

ストックホルムへ移動
今日はウプサラ組の3人と別れ、ストックホルムへの移動の日でした。これまでの濃い2日間、共に過ごしていたので、4日間ですが、離れると思うと少し寂しかったです。

ストックホルムは、人が多く、ウプサラとは違う雰囲気が広がっていました。また新たな発見が沢山見つかりそうです。


Sickla Köpkvarter
今日はホテルの近くにあるSickla Köpkvarterという大きなショッピングセンターに行きました。衣服、雑貨など、素敵なものが沢山あり、すごく心がときめきました。ついつい買いすぎてしまいそうになりますが、物価が高いことを忘れず賢く買い物したいです。


(R. M.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月13日水曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 4日目

3月11日(月)

ウプサラ大学へ向かう中で
ホテルでゆっくりと朝の時間を過ごした後、ウプサラ大学へ向かいました。人通りもある朝の市内を、約30分間かけて徒歩での移動になりました。誰が何を言わずとも、気づけば2列で歩いていました。日本の学校生活で身についたことかと談笑しながらの道中になりました。


ウプサラ大学
ウプサラ大学では、信州大学から留学している学生も加わりました。最初にスティーナ・ハルセーン先生に講話をしていただきました。教育のしくみや、大学の教員養成課程について、質問を交えながら話していただきました。5年かけて教員の養成を行うこと、複数教科の免許を取得する学生が多いこと、実習が手厚いことなどを知ることができました。次にウプサラ大学の学校生活の様子や、留学のプログラムについて講話を聞きました。留学生1人にスウェーデン学生1人がペアになり、学校生活から日常生活までサポートしてくれるバディ制度があるとのことでした。慣れない土地で過ごすことになる留学生にとって、心強いサポートだと感じました。


 
その後は、レストランで一緒にランチをいただきました。どのテーブルでも、話は尽きない様子で、互いの国のことや留学について話が弾んでいました。他国の文化を知ることで、価値観が大きく変わったことを生き生きと話す留学生の様子が印象的でした。今回、私たちが参加しているスウェーデン実習は、留学に比べれば短期間ではありますが、日本にいるだけでは知ることのできないことを、今後の実習でも学びたいと強く思いました。


ウプサラ市内の自由行動
ランチの後は、ウプサラ大学のすぐ隣のウプサラ城に移動し、ウプサラの歴史や、ウプサラ大学が輩出した著名人についての話を聞いた後、市内を散策しました。商業施設や歴史的な建物の横に大学の施設があるなど、街の中に大学が溶け込んでいる、あるいは大学の中に街が入り込んでいると感じました。この日は雲一つない晴天で、ウプサラ城や大聖堂の赤レンガが青空に映えており、美しいウプサラの風景を堪能しながら、ウプサラの歴史に思いを馳せる日になりました。



(E. O.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月12日火曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 3日目

3月10日(日)

Clarion Collection Hotel Uppsalaの朝食
前日の夕食同様バイキング形式でした。多数のメニューが並べられ、パンやチーズやヨーグルトそれぞれの種類の豊富さ、ティーやジュースに加えて複数種類のスムージーもあり、朝食が大変充実した内容であることに驚きました。また、ゆで卵に一つ一つイラストが描かれていたり、複数の種類のクッキーが2段のお皿に盛りつけられていたりして、可愛らしかったです。


ウプサラ市内散策
ウプサラ市立図書館周辺を林先生に案内していただきました。ウプサラ大学やウプサラ大聖堂等、周辺の建物や、ウプサラ大学の学生による川下りの祭りのことや、おすすめのお店等について教えていただきました。カフェ等の飲食店や様々な店が並んでいましたが、営業時間が午後からであったり、人通りも少なかったりして、全体的に静かな様子でした。また、古い建物、石畳の道路、大学に続く坂道等から、歴史ある街並みの雰囲気を感じました。大聖堂の中には、その歴史について、王の戴冠式が行われたことや、火事により修復が繰り返されてきたこと等が書かれていました。ウプサラ大聖堂は、その大きさとつくりや豪華な飾り、荘厳な雰囲気に感動しました。ちょうど合唱の練習をしていた合唱団の子ども達の歌声を聴くこともできました。



エスケープルーム
エスケープルームでは、なぞ解きをしました。メンバーと部屋から脱出するために一緒に謎を解く活動は、コミュニケーションを図りながら謎について考えたり、謎を解くたびに拍手や歓声が上がったりして、これから共に過ごすメンバーと打ち解ける良い機会になりました。私たちのグループには、現地の学校に通う4年生と7年生の子が入ってくれ、その子達が活躍してくれたこともあり、特に盛り上がったように感じます。

ウプサラ市立図書館
1階は子ども図書館でした。図書館内は、大まかな年齢別のスペースがあり、それぞれの発達段階の人達が快適に過ごせるように工夫してありました。乳幼児が多い場所では、ごっこ遊びができるおもちゃ(お医者さんごっこ用の袋には聴診器の模型等)が壁にかけられていたり、家族で一緒に過ごせる半個室のスペースがあったりしました。13歳から25歳の人のスペースでは、仲間とボードゲームをしたり、みかんを食べながら語り合ったりする若者がいて、本を読まなくても楽しめる雰囲気でした。一般の利用者が本を読むスペースは、さまざまな形の椅子が広い空間にゆったりと置かれていて、リラックスして本を読めるようになっていました。実際にいくつかの椅子に座ってみると、硬さや幅や材質等が全く違っていて、自分の好きな椅子を選ぶ楽しさがありました。日本の漫画も多数置かれていました。図書館内には、本を読むだけでなく、ミシンを使った創作活動やパソコンを使える場所もありました。ミシンを使っている人がいる部屋の前に張られているポスターを見ると、その部屋では、複数の芸術系のワークショップが開かれていることが分かりました。私の知っている日本の図書館と比較すると、レズビアンで話し合ったりゲームをしたりすることを呼びかける内容のポスターが貼ってあることや、個人が学習するためのスペースは少ないことに、違いを感じました。



(M. I.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月11日月曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 1-2日目

3月8日

金沢大学組は、国内線で移動し羽田空港20:00着。その他大学の前泊組と合流して、川崎東急REIホテルにて宿泊しました。倉庫風、モダンなホテルで、部屋から羽田空港を眺めることができました。スウェーデン研修、期待と不安が入り交じっていますが、わくわくしています。早めに就寝するも、興奮しているせいか、なかなか寝付くことはできませんでした。



3月9日

ホテルロビー集合7:00。すぐにホテルをあとにし、羽田第3ターミナルへ移動しました。シャトルバスは満員御礼! ターミナルもすごい人でした。今まで、オンライン上でしか顔合わせしていなかった研修仲間と初対面。ゆっくり話している暇はなく、チェックイン機に悪戦苦闘しながら、チケットを発券、無事に荷物を預けることができました。大混雑のため、保安検査場、出国審査までの道のりは、気が遠くなりました。出国の諸々が終わったのは9:00を過ぎていました。さらに、搭乗ゲートまでの道のりも長く感じました。


コペンハーゲン行きの飛行機も超満員。飛行機を間近に見ると、気分も高揚しました。 コロナ禍を経て、世界は日常を取り戻したはず…にも関わらず、私たちが搭乗したSASは、ロシア領空を飛行せず、北米大陸経由でコペンハーゲンへ飛びました。通常なら、ヨーロッパ方面への飛行機はロシア領空を飛行していたはずです。日本国内でも海外の人を多く目にするようになりました。世界の人が自由に行き来できるようになった今日、世界では争いのために、自由が制限されている国もあることを忘れてはならないと思いを馳せました。 




この研修は、様々な大学生と共に学びます。他大学生と研修できるこの機会を得たこと、一生心に残る、決して忘れられない思い出となることでしょう。また、研修最終日まで、自ら学ぶ姿勢を忘れず、スウェーデン教育にかける先生方の思いを少しでも共有したいと思います。このような機会を提供して下さった方々に感謝し、明日からの研修に臨みたいと思います。
(M.U.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2023年9月29日金曜日

国際セミナーのご案内

International Seminar on Shifting Boundaries of Public/Private Education


スウェーデン・ウプサラ大学からStina Hallsén准教授をお招きして、教育における公私境界の揺らぎに関するセミナーを開催します。オンライン配信もしますので、ご関心のある方はぜひご参加ください。

日時: 2023年11月9日(木) 15:00-17:00

場所: 信州大学教育学部(長野市)N101教室
  ※事前申し込みの方にはZoom配信も予定しています

内容: 
  • Stina Hallsén, "Homework Support in Sweden"
  • Reiko Nakata Hayashi & Kampei Hayashi, "Rise and Expansion of Public Juku in Japan"
  • Discussion, Q&A
 ※講演および質疑応答は英語で行われます。
  通訳はありません。

申込方法: 当日会場にいらっしゃる方は事前の申し込みは不要です。オンラインで参加をご希望の方は、Zoom IDを連絡しますので、11月8日(水)までに以下のフォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/JmW8Z4BERjFZ41fXA


登壇者紹介:
Stina Hallsén(スティーナ・ハルセーン)(写真)
https://www.katalog.uu.se/profile/?id=N6-909
スウェーデン・ウプサラ大学教育学部准教授。教師教育、カリキュラム論、教育政策。スウェーデンでは社会経済的格差を学校に持ち込ませないためにも、宿題は学校の責任でサポートすることになっています。近年、民間企業が宿題支援員の派遣事業に参入するなどして、内側からの民営化が起こっています。宿題サポートを事例に、公私境界の揺らぎについてご講演いただきます。

中田麗子 (Reiko Hayashi Nakata)
https://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.ghSVumyC.html
信州大学大学院教育学研究科研究員、ウプサラ大学客員研究員、オスロ・メトロポリタン大学客員研究員。教師教育、保育学、比較教育学。公営塾研究プロジェクトでは、2022年に全国の自治体を対象としたアンケート調査を実施しました。過疎化に危機感を抱く自治体などが、地域の魅力化のために地元の小中高校生のために公営塾を設置する場合があり、近年特に広がりを見せています。初めて行った全国調査の二次分析をもとに、公営塾設置自治体の特徴などについて発表します。

林寛平 (Kampei Hayashi)
https://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.ZeTeOpkh.html
信州大学大学院教育学研究科准教授、ウプサラ大学客員研究員。比較教育学、教育政策学、教育行政学。スウェーデンを中心とする北欧の教育を研究するとともに、最近は『教育の輸出』政策に着目してグローバル教育政策市場の拡大について研究しています。そうした国際的な視点から見た日本の公営塾の特徴について発表します。

※この国際セミナーは、JSPS科研費JP21K18501「公営塾の全国調査にもとづく効果と課題の分析」(研究代表者:林寛平)の成果発表として実施します。科研課題の進捗については公営塾科研プロジェクトのウェブサイトをご覧ください(https://publicjuku.com/)。

※信州大学教育学部とウプサラ大学教育学部は学術交流協定を締結しています。両校はこの協定をもとに、学生・院生の相互派遣、教職員・研究者の交流、大学院教育における協力、学術情報交換、共同研究、会合やシンポジウムの開催などの取り組みを実施し、教育・研究の一層の充実につなげることを目指します。本セミナーには、国際共修科目「Education in Global Perspectives II/III」を受講する学生も参加します。

2023年8月29日火曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 6日目

8月18日(金)

ついに実習最終日です。

Te Rangihakahaka School に着くといつものように子ども達が駆け寄ってきてくれました。あと数時間でこの子達ともお別れだと思うと寂しくなりましたが、最後まで遊び尽くそうと思いました。10時のカラキアが始まるまでの時間、子どもたちと外で遊んだり、ハカハカ校で流行りの“アルプス一万尺”で遊んだりしました。最後に歌詞を紙に書いて渡したら「コピーして配る!」と喜んでくれました。

カラキアの後に私たちに向けてハカをやってくれました。初めて生でハカを見たときの衝撃と感動は忘れられませんが、この1週間マオリの文化に触れて、改めて見たハカは違った印象を受けました。そして、普段は無邪気で可愛いらしい子どもたちの真剣な表情とたくましい姿に心を打たれました。

午前中はシニアクラスのポイの練習に参加しました。この授業では、男子はハカ、女子はポイの練習をしていました。

授業の後、先生方とモーニングティーで、たくさん美味しいものをいただきました。セルウィン校に見学に行った際にもふまっていただいたように、ニュージーランドではお客さんと一緒に食事をして歓迎したりおもてなしをする風習があります。お寿司やお煎餅のようなクラッカー、パンなどをいただきました。それをおいしかったです。お寿司にはわさびもガリ、醤油もついていました。


帰る前に、副校長先生が校舎と少し離れたところにある工房に連れれて行ってくれました。そこではwhakairo(ファカイロ)を見せていただきました。ファカイロはマオリの伝統的な彫刻のことです。左はカヌーで右は下を出した顔です。



そして遂にお別れの時間になりました。最後に先生方がポイ、マタリキやマオリ族についての本、私たちが欲しがっていたマオリ語の勉強ができる本、子どもたちも着ているTe Rangihakahaka Schoolのマークが入った上着をプレゼントしてくれました。大事にします!バスに乗る時まで子供達が手を振ってくれました。離れがたかったです。またTe Rangihakahaka Schoolに来たいです!! みなさんKa kite!!(またね!)

約1週間本当に貴重な経験をさせていただきました。何の知識も経験もないまま思い切って参加して不安もありましたが、みなさんのおかげでとても楽しかったです。ありがとうございました!

(北澤のどか)

※本事業は、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として実施されています。