2019年7月5日金曜日

研究紹介: Education Export and Import: New Activities on the Educational Agora

Kampei HAYASHI (2019) Education Export and Import: New Activities on the Educational Agora in Mølstad C. E. & Pettersson D. (Eds.) New Practices of Comparison, Quantification and Expertise in Education; Conducting Empirically Based Research, 1st Edition, Routledge, pp. 175-188.

    Dr. Yeap Ban Har, the world famous expert on Singapore Math started his workshop at a Swedish school by the phrase “there’s no such a Singapore Math”.
That was really a catchy introduction and he swept the reluctant teachers feet off brilliantly. He told that no child was born as excellent or as poor, but society, culture or system grow the children in the way. He continued to explain the characteristic of the Singaporean success in TIMSS mathematics that they have strengthen on competent pupils in advanced levels, and that is accomplished by a combination of Asian style math lesson and practice of Lesson Study. Figures from the international assessments and researchers’ work were often referred to support his argument, and at the end he showed the evidence-proven model lesson in front of all teachers. Ms. Britta Wikman, the school principal who invited Dr. Yeap, then presented the school’s ambition toward globalization; teachers as researchers keep continuous inquiry and exchange teaching expertise all over the world. The scene itself was literary international in a way – me as a Japanese researcher listening Singapore Math at Swedish school. The Swedish teachers at school use translated version of Singapore Math textbooks in their classroom.

    Education has become a field of business, not only at the domestic market, but also at the international trade arena. In addition to the ‘traditional’ edu-business sectors such as textbook publishers, school chain providers and education consultancies, giant IT companies joined the field through the investment of philanthropy organizations (Au & Ferrare, 2014), and even government is entering this market as one of the actor (Hayashi, 2016). Marketization used to be regarded as a movement of right wing’s neo-liberalistic idea to some extent, however, the teachers’ union, which is generally regarded as left wing body and against neo-liberalism (eg. Verger, Fontdevila & Zancajo 2016), is one of the major provider of profit making education services in Singapore. Anyone can do edu-business, and edu-business easily cross over the border. International organizations such as OECD and World Bank are assisting the expansion of the market by providing statistics and loan scheme.

    The focus of this chapter is on “Education Export”, phenomena in which governments promote edu-businesses to go abroad. Several countries have set national strategies to sell their education goods and services to other countries. In the following, the perspectives of exporter countries, such as Finland, Japan and Singapore, as well as importer countries’ perspective from Ghana and Liberia are illustrated. 

書誌情報 (amazon.co.jp)
書名: New Practices of Comparison, Quantification and Expertise in Education
 出版日: 平成31(2019)年3月29日
 出版社: Routledge
 編者: Christina Elde Mølstad, Daniel Pettersson

2019年3月7日木曜日

サバティカル成果報告会の開催について

2018年3月から1年間、信州大学教育学部からサバティカル(研究休暇)をいただいて、スウェーデン・ウプサラ大学を拠点に研究を進めました。この間の研究の成果と進捗を共有するために、報告会を開催します。どなたでもご自由にご参加ください。

キーワード: グローバル教育政策市場、教育の輸出、Edu-Port Japan (日本型教育の海外展開)、国際学力調査、リベリア、ガーナ、ベトナム、Qatar-Finland International School

日時: 2019年3月20日(水) 14:40~16:10
場所: 信州大学教育学部 N304教室

報告者: 林 寛平 (信州大学教育学部・准教授、ウプサラ大学教育学部・客員研究員)

日程:

14:40-15:30 報告
  1. これまでの研究とサバティカル期間の研究計画
  2. サバティカルによる成果と進捗
  3. 今後の研究計画

15:30-16:10 質疑応答

申込: どなたでもご自由にご参加ください。

Facebookイベントページ: https://www.facebook.com/events/2039897126087684

※科学研究費補助金「グローバル教育政策市場のインパクトに関する国際比較研究」(若手研究(A) 16H05960)、「国際アセスメントの開発過程における政治的メカニズムの分析」(挑戦的萌芽研究 16K13521)の報告を兼ねています。

2019年1月13日日曜日

研究紹介: 外国人としての「私」と移民教育への課題意識

林寛平「解題:スウェーデンにおける外国人児童生徒の教育課題」, 近藤孝弘・中矢礼美・西野節男(編)『リーディングス 比較教育学 地域研究 多様性の教育学へ』(東信堂, 2018)


 本稿は日本比較教育学会第50 回大会の課題研究「外国人児童生徒の教育課題―日欧比較―」における報告をベースに起稿したもので、スウェーデンの寛容な移民政策の歴史的背景とそれを実現する制度と実践を理解し、課題を整理することを目指した。集団移民時代の経験、労働移民受け入れの条件、社会民主主義イデオロギーの3 点から歴史的展開を検討した(本文詳細はこちら)。外国人児童生徒の学習権保障の実践としては、母語教育、母語による学習ガイダンス、第二言語としてのスウェーデン語教育の各施策の法的根拠と実施状況を述べた。そのうえで、外国人児童生徒が直面する教育課題として、学力格差、スクール・セグリゲーションの進展、学校と家庭におけるアイデンティティの齟齬の3 点を指摘した。2016 年に出版された園山大祐( 編)『岐路に立つ移民教育―社会的包摂への挑戦』( ナカニシヤ出版) では、写真等を用いて加筆している(紹介文はこちら)。これらは多国間比較の一部として執筆したため、客観的な説明に偏っている面がある。そのため、この解題では生活者視点で補足することで、立体的な理解の一助としたい。

 本稿の課題意識の源流にはスウェーデンに2 度留学し、外国人として暮らした私的経験がある。特に「移民のためのスウェーデン語(Sfi)」を受講し、同級生を通じて移民の生活を垣間見たことは大きかった。印象に残っているのは、各自がテーマを決めて発表する課題で、中東からきた青年が行った報告のストーリーだ。彼は「誰にも話したことがないけど、みんなはもう家族だから」と前置きして、スウェーデンにたどり着くまでのいきさつを発表した。

 彼は地方の大家族の出だった。戦禍が町に迫ったある晩、家族が対応を話し合った。金を用意すればブローカーがトルコに渡る手配をするという話だった。家族は自宅や自動車を売り、借金をして、ようやく一人分の金を工面した。そして、彼が代表してトルコに渡り、スウェーデンに着いたら家族を呼び寄せる計画を立てた。一度目は舟をこぎ出してすぐに拿捕され、一瞬にして失敗した。家族は財産のすべてを失った。その後、彼はあらゆる手段で金を集めた。そうして、警備が手薄になる冬の夜を狙って再び脱出を試みた。小さなボートには息苦しい程に人が乗り、船は沈みかけていた。岸を離れて少し経った頃、船は何者かに銃撃を受けた。水面は赤く染まり、ほとんどの人が助からなかった。彼は暗闇を必死で泳ぎ続け、明るくなる頃に漁船に引き上げられた。その後、スウェーデンに庇護を求め、母国の家族に連絡を取ろうとしたところ、全員が虐殺されたことを知った。

 受講生は涙ながらに聞いた。同級生のひとり一人が、言い知れない苦労を背負っていた。

 寛容な政策をとる国とは言っても、移民を取り巻く環境は厳しい。差別的な扱いは日常的で、お前の国ではない、住まわせてやっているんだから文句を言うな、嫌なら出ていけ、というメッセージが投げつけられる。在留者証の携帯が義務付けられているが、その発行には顔写真と指紋の登録が必要で、まるで犯罪者扱いだ。母国で高学歴だった人も、就職の書類を送ったところで一切返事が戻ってこない。スウェーデン人らしい偽名を使って送るとすぐに連絡が来るが、面接に通ることはほとんどない。移民の子どもも苦労している。学校では移民が徒党を組んでいて、入学するとすぐに上級生から声をかけられる。お前はあっち(スウェーデン人側)か、こっち(移民側)かと迫られ、緩急をつけて脅され、仲間に入らざるを得なくなる。スウェーデン人からは排除され、教職員には嫌疑をかけられる。同級生のバカンスや乗馬のレッスンの話を聞きながら、誰もいない家に帰った後の食事の心配をする。個人主義と社会主義が同居するこの国では、寒暖の差が身に染みる。

 寛容な政策には、経済的理由や人道主義、贖罪の意識、国家の虚栄心、地政学的なバランスなど、様々な動機があるだろう。教育現場では在留資格を持たない「ペーパーレス」の子どもや、単身で難民してくる子どもの対応が課題となっているが、政策や制度(建前)と生活実態(本音)とのギャップ解消に目途は立たない。そのことが極右政党の政治的資源になっている。スウェーデンが正解を教えてくれるわけではない。この国の歴史や制度、実践を理解したうえで、互いの経験から学び合うことが大切だと思う。(「解題」より)


書誌情報 (amazon.co.jp)
 書名: リーディングス比較教育学 地域研究 多様性の教育学へ
 出版日: 平成30(2018)年6月28日
 出版社: 東信堂
 編者: 近藤孝弘・中矢礼美・西野節男

2018年10月2日火曜日

研修報告: スウェーデン教育視察 10日目

9月29日

北欧教育視察10日目。
今日は林先生のお家にてまとめの会を行いました。

まずはじめに皆で湖畔へ行き、そこでシュールストレミングの缶を開けました。
シュールストレミングとはスウェーデンで主に食べられる塩漬けのニシンの缶詰のことで、世界一臭い食べ物として有名です。薄いナンのようなパンにバターを塗り、つぶしたジャガイモ、玉ねぎ、香草、ゆで卵、サワークリームと一緒に巻いて食べると、においはあるものの、さっぱりと食べられました。シュールストレミング自体の味は塩辛く、少量で十分でした。これを最初に食べた人はすごいなと思いました。スウェーデンの食べ物として、良い経験ができたと思います。

先生のお家では、ザリガニとミートボールを頂きました。ザリガニパーティーでは頭にお誕生日の人が被るような紙の帽子を被り食べるそうです。どのような味なのだろう?と思っていましたが、エビのような食感で塩気がありとても美味しかったです。ミートボールと一緒に久しぶりに日本のご飯も頂き、とても安心する味でした。料理に温かみがあり、やはり食べ慣れてきた味が一番だなぁと感じました。

日本には明日帰国します。その前の最後の想い出としてとても素敵な経験ができました。台風の影響がなく、無事に帰れるといいなぁと思います。

(担当: 田中優希)


※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

研修報告: スウェーデン教育視察 9日目

9月28日

北欧教育視察9日目。
今日は『ライブ!スウェーデンの中学校―日本人教師ならではの現場リポート』著者の宇野幹雄先生をお呼びし、ウプサラ大学にて教育セミナーを行いました。前日までの3日間で3つの学校へ行き実習をさせていただいた経験をもとに、スウェーデンの教育と日本の教育の相違点だけでなく共通点についても考え、それぞれの学校ごとにプレゼンをしました。



その中で、スウェーデンは移民を受け入れており、その子の文化的な背景も一人ひとり違うことから統一して指導をするのが難しいことや、教員の資格を持たずに教えている教師もたくさんおり、その場合通知表は校長先生がつけることになるなどの驚きもありました。

また、日本では当たり前のように毎日自分たちでやる清掃も、多くの国では清掃業者が教室に入り掃除をし、改めて日本の自分たちでやる掃除の意味や日本の精神を考える機会となりました。

セミナー後はウプサラ大学周辺の観光をし、大学の裏の道ではこのようなきれいな風景も見られました。途中、ハロウィーンのマレフィセントのようなデコレーションもあったり、お城の屋根に旗のように洗濯物が干してあったりと、様々なものを見つけながら街を歩きました。一週間前にゾンビマラソンで走ったコースを日中歩いて見ると、また違った景色を見ることができ、楽しかったです。空気が澄んだとても素敵な街だと感じました。

(担当: 田中優希)

※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

研修報告: スウェーデン教育視察 8日目

9月27日

今日はUppsävjaskolanに学校訪問に行きました! 1日を通して8つの授業を参観させていただきました。中でも特に印象的だった授業について書いていきたいと思います。



まず6歳クラスのスウェーデン語の授業です。先生が読み聞かせをするという内容でしたが、子どもたちは読み聞かせの間リンゴやミカンなどのおやつを食べながら読み聞かせを聞いていました。授業なのにおやつを食べながら授業を受けている光景がとても衝撃でした。食べることに集中しているのかな?と思いましたが、教師の問いかけがあると半数以上の子どもが手を挙げて答えていました!日本にはないスタイルでとても面白かったです。

次に3年生の手芸の授業です。自分だけのクッションを作るという内容でした。前時に書いたデザインを基にして、たくさんあるフェルトから好きな色を選び、型取りをして縫うという活動を児童はしていました。この授業を見て自分自身が受けた裁縫の授業を振り返ってみました。自分はデザインされ、型取りされたものをミシンで縫うだけの授業でした。しかし、ここでは0から自分で考えて創り出すという活動であり、子どもたちにとってより楽しく、考える力がつくのではないかなと感じました!
最後に4年の音楽の時間です。音楽室に入ると子どもたちは1人ずつヘッドフォンをしてiPadを操作していました!何をしているのかというと、ナショナルデーで発表するための曲を作っていると仰っていました。ドラムやギターなど8つのパートの音を組み合わせて子どもたちはとても熱心に音楽を試行錯誤して作り出していました。音楽なのにサイレントでとても衝撃的でした!

このような、日本にはない授業がたくさんありとても刺激的な1日でした。

3日間の学校訪問をしてみて、どの学校も子どもにとっても教師にとっても環境が整っているということが共通していると感じました。環境が整っているからこそ、教師は子どもへの支援をより手厚くすることができたり、子どもたちも自由に学べることができたりしているのではないかと思いました!

(担当: 西村真衣)

今日は、Uppsävjaskolanという学校に訪問しました。

たくさん驚いた授業があったのですが、その中でも1つ、最も驚いた授業を紹介します。それは、3年生の木工の授業です。 子供たちは、オリジナルの小さな船を作っていました。ここは木を切るテーブル、ここは色を塗るテーブルなど、テーブルごとにやる内容が決まっており、自分のペースに合わせて作っている様子がありました。

木工で使う道具が壁一面に立てかけられており、その種類の多さと、カバーもかけずに保管してあることにとても驚きました。子供たちにとってそのような道具は身近であり、教師は子供たちを信頼しているからこそできることなのかなと感じました。

また、この授業には4つのステップがあり、それぞれの説明は動画でされているようでした。その動画の出し方がとても面白いのです。なんと、QRコードが教室の後ろの壁にあり、それを各自で読み取り、動画を再生させるのです。QRコードを読み取るとYouTubeの説明の動画に直接繋がります。見たいと思った時にすぐに見れ、また教師も説明をする時間が省け、より子供たちに目が向けられる時間が増えてとても良いなと感じました。
そして、子供たち一人一人に、「1人でできます」「手伝ってください」と書かれたカードが配られており、どちらかを出しながら作業をしている様子がありました。教師は一目で支援が必要な子が分かり、子供たちは声に出さない分教室の中も比較的静かで、作業に集中できるなと感じました。

スウェーデンの学校は木工の授業を大切にしており、「自分たちで家を作ってしまうこともあるよ」と先生から聞いた時はとても驚きました。

日本とは違ったスタイルの授業を見て、とても新鮮で面白かったです。QRコードで読み取り、動画で説明するなど、日本の学校にも取り入れられそうな所がたくさんありました。日本の学校の授業に合わせて取り入れていけたらいいなと感じました。

(担当: 田中愛実)


※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2018年9月28日金曜日

研修報告: スウェーデン教育視察 7日目

9月26日

昨日も紹介しましたが、スウェーデンの学校では、授業近くになると教室のドアが開きます。それまで子どもたちは外で思い思いの時間を過ごし、教室に入ってくると学習モードに切り替えようとするのです。
この日は雨が降るあいにくに日でした。さすがに今日は校舎の中で過ごすのであろうと思い、学校に向かいました。そうしますと、子どもたちは雨の中でも外で遊んでいます。傘をさしている子、レインスーツを着ている子、雨など全くお構いなしに遊ぶ子・・・教室の入り口ドアは施錠されていますので、昇降口・ロッカールームまでは入れますが、教室内に入ることはできません。

授業開始時刻近くになったところでドアが開場され、先生は子どもたち一人一人に声をかけ温かく迎え入れます。先生に聞いてみました。
「今日は雨が降っているけれど、いつも子どもたちは外で遊ぶのですか。」
「ええ、教室は勉強をする。その他は外です。」
「日本では、雨の日には屋内で遊ぶことも多いですが。」
「スウェーデンでは外です。暑い日も、寒い日も。晴れている時は、たくさんお日様の光を浴びないと。」
「寒い冬もですか?本当に?」
「ええ、たくさん着ますから大丈夫。」

先生はとにかく「They are outside」ばかり。子どもは外で遊ぶのだということです。これは小学校だけに限らず幼児教育の場でも同様のようです。むしろ子どもは外にいない状態を不思議がっている様子に、ある意味驚きでした。ただ誤解のないように細くしますが、外で放っておかれているのではありません。外にも常時スタッフがいて子どもたちを見守っています。その中であった気になる様子は子どもたちが帰った後で共有されるそうです。連携が取れているからこそかもしれません。

こうした連携は、教室内でも同様で、一つの教室に複数のスタッフがかかわっています。私は3人の先生が受け持つ授業を参観しましたが、一人の教師が複数の教室を担当します。聞けばこの学校では、1~3年生は学級担任がほぼすべての教科を担当し、4~6年生は教科担任制を行っているとのこと。ただ、教科の担当が同学年の学級を中心に配置されているため、子どもたちの姿を、複数の教科を通して共有できる連携体制が構築されています。

子どもたちが帰った後(15:00~17:00)は、連学年会(1-3,4-6)や学年会の時間が確保されています。授業研究などの話をすれば、日本の方法が良いと思うという話になりました。スウェーデンでは、毎日14:00前後に子どもたちの下校になるということが様々な相談の場を生み出している要因の一つとも言えるでしょうが、教師たちが様々な場面の子どもたちの姿を話し合い、より良い教育を展開しようとする姿勢を、教師たちの声から学ぶことができました。また、対話の中で日本との比較からお互いの良さを再確認するよい時間となりました。

(担当: 清水貴夫)

Samskolaでの実地実習二日目です。今日の午前中はJohanna先生の算数の授業を参観しました。

1時間目の算数の授業では個人学習の時間がなく、全てペアワークで行われていました。ペアワークをする際に子どもたちはA4ノートくらいの大きさのホワイトボードを用いて、自分の考えや友の意見を書き出し、議論をしながら与えられた課題を一生懸命に解いていました。ホワイトボードに考えを書き出すことで、考えを視覚化でき、
より議論しやすくなっているなぁと感じました。

2時間目のクラスも算数でしたが、1時間目とは異なり完全に個人学習の時間になっていました。算数のドリルをやっている間にJohanna先生が子ども1人ずつ前に呼びパソコンの画面を見ながら話し合っていました。話を聞くと理科のテストを口頭でしているらしく、知識は身についているか、どのように課題を考えたのかについて1人ずつ確認テストをしていました。2時間目の終わりには、口頭で行なったテストの結果をプロジェクターで黒板に映し出していました。テストのやり方、成績の表示の仕方が斬新な方法でとても驚きました。 

Samskolaの高学年はクラス担任制ではない状況で教師は生徒とどのように関係づくりをしているのかについて疑問に感じていたのでTina先生、Johanna先生に質問してみました! 両方の先生とも、子どもとたくさん話すことをとても大切にしていると答えていました。ランチタイムでも子どもと一緒に食べながら会話を楽しんだり、休み時間などに暗い顔をしていたり心配なことがある子には積極的に話しをして関係をつくると仰っていました。やはり、子どもとの"会話"は子どもにとっても教師にとっても大切な要素なのだなぁと再確認できました。
(担当: 西村真衣)


※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。