2017年1月28日土曜日

教育動向:デヴォス教育長官候補の公聴会開催、承認投票は延期

久原みな子(アメリカの教育動向)

トランプ大統領の就任式に先立ち、17日、新政権下の閣僚人事指名承認手続きの一環として、ベッツィー・デヴォス教育長官候補の公聴会が上院医療教育労働年金委員会(Senate Committee on Health, Education, Labor and. Pensions/HELP Committee)で3時間以上にわたり開かれた。この公聴会で、デヴォス氏は、連邦政府の教育における役割を縮小し、自由市場と学校選択、州、学区、親に権限を与えることによって学校教育を改善できるという考えを明らかにした。共和党議員が支持のコメントを述べる一方で、民主党議員たちからは具体的な政策に関する厳しい質問が続いた。例えば、生徒の学力は、それがどのくらい伸びたかで測られるべきか(growth)、それともある基準に到達したという習熟度(proficiency)で測られるべきかという議論における彼女の立場や、特別支援の必要な生徒の教育に関する連邦教育法(The Individuals with Disabilities Education Act)について聞かれた際には返答に窮するなど、精細を欠く場面もあった。

公聴会に続き、先週行われるはずであったデヴォス氏のHELP委員会での承認投票は、1月31日に延期されることになった。デヴォス氏が、多大な資産を持ち、チャーター・スクールなど学校選択制を推進する財団の理事などを数多く務めていたため、公職者に適用される倫理規定である資産公開や利益相反回避に関する連邦倫理局の審査に時間がかかったためである。民主党議員は、倫理局の審査が完了した後、承認投票までの間に再度公聴会を開くことを要求していたが却下された。上院での承認投票では過半数の賛成(定員100のうち51)があれば候補者が承認されるため、今回のデヴォス氏の承認は、共和党議員全て(52議席)の賛成が得られれば確定と考えられる。


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