2016年1月26日火曜日

教育動向: オバマ大統領の一般教書演説

アメリカの教育動向(久原みな子)

オバマ大統領は1月12日、任期中最後となる一般教書演説を行った。教育に関しては新たな政策提言ではなく、これまで取り組んできた課題に関する業績を確認し、それらのさらなる促進を約束するものとなった。
 
 これまでのNCLB法(No Child Left Behind Act落ちこぼれを作らないための初等中等教育法/どの子も置き去りにしない法)を中心とした教育政策により、昨年度の高校進学率が上昇し8割を超えたことを確認した。さらに昨年12月に可決した新教育法、ESSA(Every Student Succeeds Act/すべての生徒が成功する法)のもとでも、これまでどおり就学前教育の拡大と、STEM(科学・技術・工学・数学)教育、特にコンピューター・サイエンス分野に注力していくことを約束した。

 加えて、学生ローンの返済額を返済者の収入の1割以下にするという政策の実現をあげ、引き続き大学学費の引き下げ、特に二年制のコミュニティ・カレッジの無償化を目指していくと述べた。

 また、2012年に起きた小学校での銃乱射事件など、銃による暴力の被害者たちのために、今回の演説ではミシェル・オバマ大統領夫人隣のゲスト席に空席が設けられ、子どもたちを銃から守るためにも銃規制が必要であると訴えた。

  • Office of the Press Secretary, White House. “Remarks of President Barack Obama – State of the Union Address As Delivered.” 2016/01/13.
  • Alyson Klein. “Obama: I Will Keep Fighting for Preschool and College Access.” Education Week. 2016/1/12.

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