アメリカの教育動向(久原みな子)
5月10日、各州選抜の中学生224名が竸う中学生数学コンテスト「マスカウンツ(MATHCOUNTS)」が開催され、ワシントン州出身の7年生(13歳)が優勝した。1984年に始まったマスカウンツは、クイズ番組のようなショー形式で行われ、毎年約10万人の中学生が地区予選に参加している。内容は数学的問題解決力を竸う競争で、例えば、優勝者のエドワード・ワンは、「999,999,999÷32のあまりは?」の問いにわずか6.95秒で正答「31」を答えた。優勝者には、大学進学のための奨学金2万ドルと、合衆国宇宙ロケットセンター(アラバマ州)での夏季プログラム「スペースキャンプ」への参加権が授与される。
米国でも国際数学オリンピックの予選を兼ねた様々な数学コンテストが毎年各地で開催されており、数々の数学教師・ボランティアとともに学校の部活動、課外活動やオンラインフォーラムなどで、熱心な対策と指導が行われている。一方で、数学コンテストで上位を占めるのが高所得世帯出身の白人・アジア人に偏っていることも度々指摘されている。
- 米国および世界の数学コンテストのリストはこちらを参照: Art of Problem Solving (AoPS). List of mathematics competitions.
- MATHCOUNTSウェブサイト: https://www.mathcounts.org/
- Raytheon Company. “Edward Wan named 2016 Raytheon MATHCOUNTS National Champion.” PR News. May 9, 2016.
- Liana Heitin. “Elite Math Competitions Struggle to Diversify Their Talent Pool. ” Education Week. May 17, 2016.