2016年11月10日木曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 3日目

今日も、自転車がびゅんびゅん走ってます。
ベルの音がしたら自転車が突っ込んでくるから気をつけないといけません。

電車と徒歩で学校へ。
霜が降りています。
凍えながら今日の参観校、ダルトンスクールへ到着!
ここでは、まず中学1年生、12歳の生徒から彼らの行っているダルトンアワーのレクチャーを受けました。

中学1年生はダルトンアワーを初めて数ヶ月、ようやく慣れ始めたところだそうです。
そんな中、普段の学びについて改めて考え、外国人に分かりやすく英語で伝えるというのは、生徒達にとって大きな挑戦だったと思います。
そして、私達参観者にとってそれは、大きすぎる挑戦でした。
生徒とマンツーマン、英語でダルトン教育のレクチャーを受ける!
とっても貴重な機会を頂きました。
そして、心の底からもっと英語を勉強しなきゃと感じました。

次に、最終学年高校3年の生徒から、彼らの卒業研究についてPBL(Project-Based Learning)の視点から説明を受けました。
彼らはまだ高校生だけど、やっていることは既に研究者の域でした。

この学校でのPBLは、どういうものかを高校生に質問すると、研究テーマを定め、その問題を解決するために、いくつもの教科を用いて進めるものという答えが返ってきました。

その後、日本PBL研究所の先生からPBLの定義の話がされました。
PBLでは、自分の生活との関連からテーマを見つけ、問題解決のために何をしないといけないかリストアップして、計画した上で、自身でリフレクションを行うことが重要であるという話がされました。
この話を受け、学校の実際としては、カリキュラムとしてリフレクションが位置づいている訳ではないが、先生によっては丁寧なリフレクションのサポートがされるとのことでした。

私たちに自己の研究を説明説明してくれた学生は学校内でもトップクラスの成績であることもあって、とても自信に満ち溢れていて、ダルトン教育を受けていることにも誇りを持っている様子が印象的でした。

そしてその姿から、子どもが伸びていくには自分自身の可能性を信じられるかこそが重要だと感じました。
この学校では教師は子どものプロジェクトを応援するアドバイザーという立ち位置だそうです。
教師がプロジェクトを行う意義をはっきりさせ、子どもたちが自信をもって自身の興味に向かっていてるようにサポートすることが重要なのだと思いました。

今回の視察だけでは、その全てを理解しきれなかったように思います。
でも、だからこそ、よりダルトン教育への興味がわきました。
今日感じた「もっと知りたい、学びたい」の気持ちを忘れないようにしたいです。

さて、視察後は遅いお昼として運河の河川敷の見渡せるパンケーキやさんへ行きました。とってもおしゃれで雰囲気のあるお店!
ベーコン、ハム、パイナップルとチーズのパンケーキ。
それに砂糖やメイプルシロップをかけて食べます。
なんだか、お好み焼きとかチヂミみたい。

そして、世界遺産!オランダと言ったら風車!たくさん写真撮りました。

時間がおしてしまったので、美術館でレンブラントの「夜警」ではなくて、アムステルダムの夜景を見ることに!
いざ、極寒クルージングへ。
 伝統的なものから近代的なものまで不思議な建築がたくさんあります。
どの建物も生活感がなくて、おしゃれな装飾がしてあって、見ていて飽きません。
外から見られることを強く意識してあるように思いました。
また、運河に浮かぶ船の中にも人が住んでいる?レストランがある?ようでとっても不思議でした。
見応え抜群の運河クルーズ。
極寒にも関わらず、もう一周したいという声もありました!

おしゃれで外から丸見えの建物みていたら、アムステルダムの人達がどんな自意識を持っているのかが気になりました。

オランダは今日でおしまい。


身長の高い人たちが、びゅんびゅん自転車に乗るスタイリッシュな国でした。
また来たいな〜〜〜
(担当: 丸山友紀)

※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月9日水曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 2日目

欧州教育視察2日目です。

本日は、FreinetschoolとParkschoolの2校に別れて視察に行ってきました。

可愛らしい校舎と素敵な校長先生が温かく迎えてくださいました。

私は、Freinetschoolに視察に行きました。
通訳がなく、学校の先生や子供たちと直接英語でのやり取りで緊張しましたが、拙い英語にもみなさん笑顔で対応してくれました。

最も印象に残ったのは、同じ空間にいるのに、やっている事は、バラバラということです。
空き缶を作品を作る子、地図をみて学習する子、自分で考えた物語をノートにまとめる子など、自分の学びに打ち込む姿が見られました。
子供たちの学びに支障をきたさない環境の充実も自分の目で確かめることが出来ました。
 「勉強が楽しい!」と言葉が通じなくても表情で伝わってきました。

学校視察が午前中で終わったので、午後からは自由時間を満喫しました。

チーズ屋さんを覗いたり、お店で買い食いしたり、街を歩いているだけで楽しかったです。



なんと言っても、外せないのはマウリッツ美術館です。
かの有名な真珠の耳飾りの少女を拝見しました。鳥肌がたちました。
本物に触れることの大切さを実感しましたね。

明日は、学校視察と世界遺産のキンデルダイクです。ワクワクして眠れませんね!

名残惜しいですがここらでお別れです。 明日の更新もお楽しみに

(担当: 上原真代)


※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月8日火曜日

研修報告: オランダ・イタリア教育視察 1日目

欧州教育視察1日目です。

11月6日〜11月13日までの8日間、オランダのフレネ教育とドルトン教育、イタリアのレッジョ・エミリア・アプローチを行う教育現場を見て学んできます。


信州大学からの参加者は

  • 教職大学院1年 丸山友紀
  • 現代教育コース3年 井上楓
  • 現代教育コース3年 上原真代
  • 現代教育コース3年 木暮美咲
  • 現代教育コース3年 久保田朱音
の計5人の参加となりました。

成田空港に向かうまでに2人がバスに乗り遅れるトラブルもありましたが、無事に集合時間に間に合うことができました。

飛行時間12時間の後、オランダに到着です!
機内では映画を見たりゲームをしたり、または寝るなど……各々自由な時間を過ごしました。
到着時には虹がお出迎えをしてくれましたよ!


初日はホテルに向かい、ディナーを食べて終わってしまいました。
ホテルに向かうまでに古い建築物やレンガを基調としてるもの、またはガラス張りの建物など日本とは別に趣のある街並みで感動しました。

明日から学校視察が始まります。
自分たちが知らない生の教育現場を肌で感じてきたいと思います。

一日32時間という不思議な日でしたが、明日から時差ボケに負けずに視察頑張ります!


(担当: 井上楓)






※本事業は、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2016年11月4日金曜日

教育動向:ワシントン・ポスト紙の教育に関する質問にクリントン候補が回答(2)



アメリカの教育動向(久原みな子)

前回に引き続き、間近に迫った大統領選に向けての選挙活動が本格化する中、ワシントン・ポスト紙が掲載したヒラリー・クリントンの教育政策に関する回答をお届けする。

まず、この数年絶えず議論の的となっている標準テストに関しては、ESSAEvery Student Succeeds Act/すべての生徒が成功する法)のもと、州と学区により多くの裁量を与えることにより、テストの数を減らし、したがって「Opt-out(標準テストを子どもに受けさせない)」の動きも必要がなくなるはずであると述べている。同様に、コモン・コアのあり方についても、高い学力基準を各州が持つことには賛成であるが、連邦政府・教育省はこれまでと同様、特定のコモン・コアを強要することは避けるべきであるとしている。連邦政府の教育における役割は、1965年の初等中等教育法(the Elementary and Secondary Education Act)ではじめて連邦資金が教育に投入された時から変わらず、すべての子どもたちがよい教育を受けられるようにすること、特に貧困により歴史的な不利益を受けている子どもたちを守ることであると述べた。

その他、高等教育の学費ローンの問題、教育における人種問題、チャーター・スクールや虚行くバウチャー制度などに関する質問にも答えている他、いくつかの個人的な質問にも回答している(例えば、子どもの時、最も苦手だった科目は、合唱であることなど)。



2016年10月24日月曜日

EDU-JPN: Kyūshoku- Japanese School Lunch

Education in Japan (Natalie Collar)

For many Japanese people, just hearing the word kyūshoku brings back lovely memories of childhood and the delicious, homemade lunches they ate at school. Although school lunch has pleased many generations in Japan, many children in other countries, especially the United States, are disappointed at school lunches and pack their own lunch. 

Just what makes Japanese school lunch so memorable? Perhaps it is not only what is served at lunch but also how the food is served. 

In most public schools, the lunch is prepared fresh daily at the school, or it is delivered from a cooking center close by. Once the food arrives at the school, each class’s portion is grouped together to await pick up from hungry students. Depending on the size of the class, each student may have a daily role in lunch preparation, or students’ roles rotate throughout the school year. These roles include going to pick up the food, dishing out equal portions to each student, or cleaning the dishes and returning them to the pick-up area. 

kyushoku

Once the fourth period bell rings, the sound of feet dashing down to collect the food fills the hallways. Unlike schools in the U.S., most Japanese elementary and middle schools do not have a cafeteria, so the students use their desks as lunch tables and eat in the classroom. Once each student is served, all students sit at their desk and wait until it is time to say for them along with the rest of the school to say pre-meal greeting, itadakimasu. Students are usually given a set amount of time to finish eating their lunch and cleaning up after themselves. Once again, the whole school simultaneously shows their gratitude for the meal and its preparation by saying gochisōsamadeshita. With that, school lunch is essentially finished. 

While the student involvement in the preparation and cleanup of the meals is certainly a unique part of kyūshoku, the effort put into planning every meal is also noteworthy. At each school or grouping of schools, there is usually a head nutritionist who specializes in planning the meals carefully. Each meal will ideally contain one third of the recommended daily amount of various vitamins and minerals. Wherever possible, nutritionists also strive to include locally-grown food, which provides a learning opportunity for the students. 

At an elementary school in Tokyo, students have the opportunity to learn about where the food in their lunches appears during a social studies class. The fourth graders, for example, met one of the fisherman responsible for supplying the flying fish that was fried and included in their lunch. The organizers of this event are hoping to instill in their students a sense for eating healthfully and responsibly that will serve them well in the future. 

Taco rice for school lunch
Other events related to school nutrition are held in the community to educate parents and other community members. School lunch tasting events are common in areas throughout Japan and draw attention to the efforts of the nutritionists and food preparation staff. They also provide adults with a chance to relive one of their favorite childhood memories of eating kyūshoku. In Ichinoseki City, Iwate Prefecture, a similar event was held at the Board of Education with the hopes of strengthening the ability of teachers, parents, and others to appropriately teach children about correct manners and cultural habits of the area. Attendees spoke highly of the quality of food made by the staff. In fact, one grandmother was so impressed that she said that she wanted to tell her grandchild just how much effort is being put into the planning and preparation of each meal. 

Day in and day out, many people work diligently to plan and prepare each school lunch. Students also have a daily role in serving the lunch. In these ways, Japanese school lunch is quite special and the experiences shared over lunch tend to stick with students for the rest of their lives.


  • 岩手日日新聞社(電子版)「栄養バランス実感 学校給食 住民向けに試食会」, 2016/10/15. http://www.iwanichi.co.jp/ichinoseki/18149.html
  • 読売新聞(電子版)「教育ルネサンス 学校給食60年 (6)『食育の教材』大きな役割…授業と連携」, 2014/11/22. http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20141117-OYT8T50067.html
  • FAST JAPAN, 「不只是吃而已!從學校午餐看日本人的『給食』文化」, 2016/04/06. https://fastjapan.com/cht/p105274

2016年10月15日土曜日

教育動向:ワシントン・ポスト紙の質問にクリントン候補が回答(1)



アメリカの教育動向(久原みな子)


11月の大統領選に向けての選挙活動が本格化する中、ワシントン・ポスト紙は、重要な政策領域であるにもかかわらず、これまでの討論などでは時間の割かれるのことの少なかった教育、特に公立学校に関する政策案や考えを聞くため、クリントン、トランプの両大統領候補へ質問リストを送った。

これに対し、トランプ陣営は、公式選挙ウェブサイトを見るようにと回答、質問リストそのものへの詳しい返答は得られなかった。一方、クリントン陣営は、各質問に答え、それがワシントン・ポスト紙に掲載された。クリントン候補の回答を中心に、数回に分けて内容をお届けする。

まず、教育財政と貧困問題について、クリントン候補は、昨年成立したESSA(Every Student Succeeds Act/すべての生徒が成功する法)のもとに、州や学区と協力しつつ、教育投資がより必要な貧困学区に連邦資金を投入すること、全ての4歳児が就学前教育を受けられうようヘッド・スタート・プログラムの予算を2倍にすることなどを約束した。また、子育てと被扶養者のケアのための税額控除(Child Tax Credit)も拡充する予定である。加えて、教育以外の労働・福祉分野の重要性にも触れながら、子どもの健康増進、保育代の家計への負担軽減などを目指していくと述べた。

子どもの福祉と教育問題は、クリントンが長年取り組んできた課題であり、回答の中でも、ロー・スクール卒業後最初の仕事は児童保護基金(Children's Defense Fund)での仕事であったこと、アーカンソー州知事夫人時代に、就学前の子供のための家庭支援プログラムHome Instruction for Parents of Preschool Youngsters(HIPPY)を導入したことなどに触れている。


2016年10月7日金曜日

EDU-JPN: IJIME- the Widespread Bullying Problem in Japan

Education in Japan (Natalie Collar)

In Japanese society, skills like fitting in with one’s surroundings and thriving within a group are very highly regarded. Rather than the differences, it is the similarities of people that are evaluated, and it is thought that conformity is more important than individuality. If one cannot fit in, one will be isolated within the group or, on the other hand, one will be removed from the group and put into a different one. 
 
Classroom
While bullying undoubtedly exists around the world, this type of society lends itself to see high percentages of bullying in all levels of schools. According to a recent study by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT), in one year, the known bullying incidents in all school levels totaled 188,057, an increase of 2,254 cases from the previous school year. The percentage of schools that were aware of bullying cases was 56.5%. 
 
Severe cases of ijime lead to children dropping out of school, having suicidal thoughts, and acting out at home. The most extreme, yet common, result of bullying is suicide, one that cannot seem to escape mainstream news in Japan. 
 
The national government and bullying specialists have been overwhelmed by the complicated nature of this problem, and the nation is unaware of a clear solution, but parents are encouraged to get involved in solving the issue of bullying at school. Although bullying is regarded by most as a problem of the school, many specialists believe that parents ought to take an active role in communicating with the child’s home room teacher as soon as they become aware of their child being bullied. 
 
While it is incredibly unlikely that any school does not have a single case of bullying, the schools that are able to resolve bullying issues are thought of highly. In fact, it bodes well for the teacher, the school, and the community. 
 
Several local governments are getting involved in promoting awareness of the importance of eradicating ijime for good. After the 2012 bullying incident in Shinagawa that ended in the child’s suicide, the local board of education, teachers and the PTA lobbied for change. The school system, along with the help of students from each school, created original anti-bullying badges and a total of 40,000 badges were made. The students, parents, and teachers wear their badges twice a month to show in an effort to raise awareness and end cases of bullying in their schools.