2016年12月29日木曜日

教育動向:カリフォルニア州、“英語オンリー”政策に終焉



アメリカの教育動向(久原みな子)

11月に大統領選と合わせて行われたカリフォルニア州の一般投票で、提案58(Proposition 58、多言語教育法案)が賛成多数で支持を得、18年間にわたって行われてきた公立学校での“英語オンリー”政策に終止符が打たれることになった(2017年施行予定)。ヒスパニック系人口の多いカリフォルニア州では、公立学校の生徒のおよそ23%、140万人が英語を母語としない英語学習者(English Language Learners、ELL)であるとされる。

今回の投票は、移民人口が急増していた1998年に一般投票で可決された提案227を覆すものである。提案227により、カリフォルニア州では、公立学校の授業はすべて英語だけで行われる“英語オンリー”の政策が取られ、英語以外の言語、つまり英語学習者の母語(主にカリフォルニ州ではスペイン語)を使って生徒の理解を助けるバイリンガル教育を原則として禁止してきた。“英語オンリー”の支持派は、バイリンガルの教室では移民生徒が必要な英語を十分に学ぶことができないとしてきた一方、バイリンガル教育の支持派は、複数の言語・文化を学ぶことの意義を強調してきた。今回の投票結果により、バイリンガル教育を行うかどうかは各学区、学校が決定することになる。




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