2024年3月21日木曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 12-13日目

帰路に着く朝は6時にロビーに集合しました。バスがいきなり、ウプサラ方面に向かうというイレギュラーなことがありながらも無事に全員が空港に着くことができました。天気は快晴。眠い目をこすりながらバスに乗り、過ぎ去っていくストックホルムの景色がどこか寂し気に感じられました。日本よりも少し寒い気温にさえ、趣を感じるほどスウェーデン研修をとても楽しく、有意義なものにできたと思います。


空港についてからも、空港でのチェックインを手際よく済ませ自分たちの成長を感じることが出ました。出発の際の手続きでは、戸惑いながらのチェックインであったのが、帰りのチェックインでは全員がスムーズにチェックインができていたでしょう。

飛行機に乗ると、これまでの写真を振り返ったり、疲れをとるために休んだりとそれぞれが有意義な時間を過ごしていたと思います。なぜか10時間を超えるフライトも行きよりも短く感じられました。そして、写真を振り返ると最初にウプサラに滞在し始めた頃がどこか懐かしく感じられました。きっとそれはこの数日間が非常に多くのことを学び与え、自分たちの人生にとって大きな刺激となったからだと思います。この研修はどの人たちにとっても大きな意味を持ち、これからの人生の糧になっていくはずです。



最後に、みなさんと一緒に研修できた日々はとても素晴らしく幸せな時間でした。本当にお疲れさまでした。引率してくだった先生方、準備からお見送りまで長い期間にわたり、私たちをサポートしていただきありがとうございました。


(T. Y. & T. Y.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 11日目

スウェーデン最終日の朝
3月18日。スウェーデン、ストックホルム組にとって、学校での実地研修最後の日であり、そしてスウェーデン研修最後の日である。それぞれの集合時間に合わせて、眠たい様子で朝食を食べるみんなだが、まだ今日がスウェーデン最後の日である実感はないようだ。かくいう私も今日がスウェーデン研修最終日である実感はない。というもの、今日は各学校で先生方へお礼のお菓子を差し上げるという任務があるからだ。任務という言い方は相応しくないのかもしれないが、慣れない英語、慣れない文化の中でお礼の品を差し上げるというのは、精神的にハードルの高いことではないかと私は思う。私も昨日の夜から、何度も英語でのお礼の言い方、スウェーデンの人々が好感を覚える言い方などをインターネットで調べるが、果たして付け焼刃の知識が役に立つのか不安で仕方がない。ちなみにお菓子は、昨晩、林先生がみんなを連れて行ってくださった「スーパースーパーツアー」で購入したものである。全員で、そして林先生のアドバイスをいただいて購入したお菓子なので、お菓子が気にいられないなどの最悪の事態は避けられるだろう。ここまで、スウェーデンの学校の先生方に対するお礼への不安を長々と書き連ねているが、大げさだと思わないでほしい。実際にこのような状況、つまり文化も言語も異なる人々対してお礼をするとなると、精神的疲労は半端ではないのである。しかし、くれぐれも勘違いしないでほしい。スウェーデンでの学校研修はとても楽しく、きっと教員になる人、また私のように教員になる気はないけれど、少しでも教育に興味ある人、すべての人にとってためになるもので、今後の人生で人に自慢できるものになるから。「私、スウェーデンで教育実習したよ」と言ったら、たいていの人は驚いて、あなたに興味を持つだろう。まあ、人に自慢するものでもないが、人に自慢できるものがあるということは、自信を持つきっかけとなるだろう。ここで、読者の皆さんお気づきかと思うが、私はさっきから「大げさだと思わないでほしい」、「勘違いしないでほしい」など読者のネガティブな反応を予想しては、いちいちストップをかけている。そう、私が考えすぎな人間であるということがこのつたない文章からおわかりいただけたのではないかと思う。お礼のお菓子について心配していた人はきっと私くらいであったであろう。みんなは研修最後ということもあって、かわいい子供たちと別れることの方が辛そうであった。

学校紹介 Neglinge Skola
さて、最後の学校研修に出かけなければいけない。ちなみに私の派遣校はNeglinge Skolaであった。なので今日のブログではNeglinge Skolaの話が中心となる。というか、Neglinge Skolaの話しかしない。今日の話をする前に私の学校について話をしよう。Neglinge Skolaとは日本でいう小学校のような存在だ。学校の雰囲気としては非常に落ちついている。これにはいくつかの要因がある。それは、学校がある地域が高級住宅街で、ここに通う児童のほとんどは富裕層であるからだ。これは、給食を食べていても実感した。私は2年生、8歳の子たちのクラスで研修させてもらった。もちろん給食はこの8歳の子たちと一緒に食べる。彼らの食べ方は非常にきれいで、ナイフとフォークの使い方もマナーのとおりである。食べ物で遊ぼうとする子は一人もいない。こういったことからも児童たちの経済的背景が学校の雰囲気に与える影響は非常に大きいものであることが分かった。そして、この学校の雰囲気が非常に落ちついていることのもう一つの要因は、移民のバックグラウンドを持つ児童が少ないからである。これは私が推測した要因ではなく、この学校の副校長に学校のプレゼンの際に説明してもらった。副校長によると、この学校の近くにはもう一つ学校がある。そこは移民の子が多く、荒れた雰囲気の学校らしい。実際に私はその学校近くの駅からバスに乗り、その学校の児童たちを観察したが、雰囲気は全く異なり、バスの中で騒いだり、スマホで音楽を大音量で流していたりなど、なかなかに荒れた様子であった。私が知っているスウェーデンの学校のイメージとはスウェーデンの中でもいいところを切り出して、はっつけ、まるですべてがいいかのように作られたものなのかもしれない。大音量の音楽で踊りまくる子供たちに囲まれながら、自分の知識不足を自覚させられた。そして、中にはそのような校風に合わずNeglinge Skolaに転校してくる子もいる。しかし、この学校に入学するには順番待ちで、誰でも転入したいからと言ってすぐに転入できるわけではないそうだ。公立の学校間でもこのように大きな差があるというのは平等の国スウェーデン、福祉の国スウェーデンという今まで持っていたイメージとは大きく異なり、個人的には驚いた。

学校に向かうバスの中で、スウェーデンの人々のやさしさ
さて、話を元に戻して、今日、3月18日の話を始めよう。先ほども言った通り、今日のお礼のことばかりを考えて、私は不安だらけであった。不安のせいで、おいしい朝食も喉を通らず、オレンジジュースのみを流し込み、学校に向かうバスへと乗った。バスの中でも不安に苛まれていたが少しうれしい出来事があった。最初、席を立っていたのだが、二人席に座っていた乗客の方が、わざわざ自分のリュックを膝にのせ、席を空け、ここに座るようにジェスチャーで示してくれた。お言葉に甘えて(言葉はなかったが)、座らせていただいた。こういったちょっとして日常の中でもスウェーデンの人々のやさしさを感じることがある。もちろん、私は「あの国の人間はこうだ」とか、その人の国籍によって、パーソナリティを決定することには反対である。ただ、スウェーデンには優しくて、シャイな人が多いなという印象をこの研修を通して思った。わざわざ目立とうとはしないけど、困った人がいたら、自分のできる範囲でさりげなく助けようとする人々が多いと思う。そして、そんな人の温かさに触れ、少し不安が和らいだ。もうすぐ学校である。バスの天井にあるSTOPボタンを押すために腕を伸ばして、体が緊張していることを確認した。

お菓子を渡して、ヨットハーバーへ
実は今日、いつもよりも早めにホテルを出た。なぜなら、学校では職員会議が8時から9時の間にあり、先生全員が集まるこの時にお菓子を渡そうと思ったからだ。本当は会議が始まる8時より前に行こうと思っていたのだが、不測の事態が生じ、学校に到着したのは8時13分であった。会議は始まっているし、この雰囲気の中、お菓子を渡すために突入するのか、どうしようかと迷っていたら、私を担当してくれている先生が教室の前でうろついている私たちに声をかけてくれた。今までお世話になったお礼としてFikaのお菓子を持ってきたことを伝えると、「ありがとう。キッチンのところに置いておいてね。」と言われ、私たちは休憩室のキッチンのところにお菓子を置き、先生は会議へと戻っていった。急にほっとして、体の力が抜けた気がする。もっと、格式ばった感じでプレゼントを渡さなければならないと思っていたから、こんな簡単な感じでよかったんだと少し以外に思った。しかし、何はともあれ、お菓子を渡すという今日最大の任務は終わったわけで、時間は8時25分、9時からの授業開始までまだ随分時間がある。せっかくだから、学校の近くにあるというヨットハーバーをみんなで見に行こうという話になった。ヨットハーバーに向かうまでに高級住宅街を練り歩いた。「ああ、あれいくらだろう?確か、3億円くらいじゃない?」、「3億円ハウスがこんなに…」と庶民丸出しの会話をスウェーデンの高級住宅街でぼそぼそと響かせながら進んだ。高級住宅街を抜けた先に入り江のような場所があり、おそらくそこがヨットハーバーなのだろうという結論に至った。これが海なのか湖なのかは、浅学な私にはわからなかった。一面に厚い氷が張っている。規則的にひび割れを起こし、まるで人の手によって創られた氷の石畳のような雰囲気を感じた。写真から私の感動が伝わるかわからないが、一応紹介しようと思う。


ちなみに、そのあたりに落ちてあった石を水面に投げたのだが、氷はびくともしなかった。みんなで恐る恐る片足を氷の上に乗っけたりと、落ちたらどうするんだとか先のことを何も考えずにしばらくの間、遊んでいた。頬を突き刺すような風に限界を感じ、学校へと足早に戻った。道中、件の高級住宅街から登校してくる小学生を見て、「ここの小学生は裕福なんだね」と月並みの感想をつぶやいた。私は先日見た荒れた小学校の児童たちのことを思い出し、平等の国スウェーデンでも格差を感じるのかと一人、心の中でつぶやいた。結局のところ、国民から高い税金を取り、福祉を充実させたところで、格差は生まれる。人がいて、みんなが自由にお金を稼ぐシステムがある限り、格差はどのような国でも生まれ続けるのだろう。私は、スウェーデンの中でも裕福な子が通う、いわば金持ち学校のような学校で研修をしたわけだが、これがスウェーデンの平均的な姿だと思わないよう、自分を戒めた。

教室での時間
今日も、いつものように私のクラスはとても静かに始まる。それぞれがスウェーデン語の単語の書き取りのプリントをもって自分の席に着く。終わった子から順に教室に置いててある本の中から好きなものを選んで読み始める。本に挟んであるしおりは自分の姿を模して作られたアバターが描かれており、一目見るだけで自分のものだと分かるようになっている。そして、今日の一時間目はスウェーデン語の授業だった。いつも通り、単語の授業が始まる。そして、2時間目は算数の授業だった。今日は二桁の足し算の授業で、おはじきのようなものを使って一問を時間をかけてグループで話し合いながら解いていく。その後は先生の解説をみんなで聞く。一問にこれだけの時間をかけるのは少し効率が悪い気もするが、足し算の概念を理解するという点では、効果的なのかもしれない。その後は、英語の授業があった。英語の授業の間は、ちょっとした注意でさえもすべて先生は英語を用いる。最初に先生が英語の絵本を読み聞かせし、その後、子供たちは自分の好きな英語の絵本などを箱の中から選んで、ペアで音読しながら読んでいる。先生はスウェーデンのアルファベットと発音の違う言葉を教えながら教室中を歩いている。


さらに先生に質問したところ、英語の授業では本だけではなく、映画鑑賞もするそうだ。映画鑑賞の際は、スウェーデン語の字幕ではなく、英語の字幕で映画を見る。英語の授業は、完全に英語100%で行われ、本や映画など生きた英語に触れ合えるようになっているという点もスウェーデンの人々の英語力の高さの要因ではないかと思う。

おわりに
このようにして、私は最終日の午前中を終えた。終わってしまうことに対しての悲しさよりも、待ち受ける解放感への楽しみの方が大きかったようだ。
(K. H.)

午後になって、いよいよ子供たちとのお別れの時間がやってきました。私の実習先、Neglingeでは各クラスでお別れ会が開かれたり、感謝の気持ちとさよならを惜しむ気持ちが込められたプレゼントが子供たちから渡されました。たった4日間の実習で、うまく言葉でのやりとりができない中でも、子供たちと心が通じ合い、仲良くなれたことは思い出に残るとても素敵な時間でした。


そして、実習が終わった後はNeglingeのみんなで外にご飯を食べに行きました。ホテルのフロントの方におすすめのお店を紹介してもらい、ホテル近くのお店Urban Deli Sicklaに入りました。
メニュー名が分かっても、どんな料理か理解できないものも多く、結果的にそれぞれが挑戦的なお料理を頼むことになりましたが、これも経験の1つとして思い出に残るものとなりました。


その後は、ホテルに帰って2回戦目のご飯をいただきながら、各学校をシャッフルして最後のリフレクションを行いました。私は個人的にこのリフレクションの時間が好きで、実習先での出来事を聞くことが学びにつながるのはもちろん、みんながその出来事についてどんな風に考えているのか、また、その人自身について知れる機会でもあると思うのでとても大切な時間だと思います。
(A. T.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。




2024年3月20日水曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 9-10日目

本日の研修では、ストックホルム市立図書館を訪問しました。日曜日のため正午になってから開館するという、休みを大切にするスウェーデンらしさを体感しての訪問となりました。中に入ると、メインとなるエントランスホールがあり、晴天によって吹き抜けの円形ホールがより一層美しく感じられました。写真でしか見たことがなかった図書館を実際に目にし、広さに圧倒されました。三階まであるホールは、上から見るとより広く感じられました。ギャラリーを一周歩いたり、反対側から手を振ったりと、これまでの図書館の概念を変え、楽しむことも出来ました。一冊に注目するとスウェーデン語なので分かりませんでしたが、背表紙が魅力的なものばかりで、カラフルな点からもスウェーデンの良さを感じました。



図書館には子ども用の本や絵本がある部屋もありました。世界中の絵本があり、日本の絵本を見つけ親近感を感じました。机とテーブルが用意されており、絵を描いたり話したりしている様子も見られました。絨毯や個室、読み聞かせのために使われる部屋もあり、子どもたちも保護者の方も行きたくなる環境が整えられていることに感動しました。



(A. H.)

私は、グスタフスベリに行って来ました。グスタフスベリは日本でもよく知られる、スウェーデンを代表する食器ブランドです。北欧食器のアンティークショップやイッタラのアウトレット、陶磁器博物館などが集まった、グスタフスベリという街までホテルからバスで30分ほどで着きました。グスタフスベリは海に面しており、風が強かったものの、前日に雪が降っていたとは思えないほど快晴で、どこを歩いても北欧の素敵な街並みを見ることができました。



今回、私はアウトレットやアンティークショップに立ち寄りました。アンティークショップでは、コーヒーカップやスープ皿、花瓶、置物などさまざまな陶磁器が売られており、私はロールストランドのお皿を2枚購入しました。陶磁器以外にもガラスの食器や置物も売られていました。



次に訪れたのは、イッタラのアウトレットです。イッタラはフィンランドの食器ブランドですが、グスタフスベリは1984年にアラビアに買収され今はイッタラグループに入っているそうです。ここでは小花が描かれたボウルを購入しました。



最後に、近くのカフェでタルトを購入して海を眺めながらコーヒーを飲みました。ここはガムラスタンなどとは異なり、地元の方もたくさん訪れていて時間がゆっくりと流れているように感じました。

皆さんもぜひ行ってみてくださいね。

(A. T.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月18日月曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 8日目

ウプサラのmalmaskola小学校では実習最終日でした。午前8:00に間に合うように朝7:30にホテルを出ます。私は小学3年生のクラスに行かせて頂きました。

今日は金曜日なので通常の日程とは異なり、通常は午後2時で終わりますが、金曜日は午後1時に終わる日程になっていました。

私が実習中に驚いたことのひとつにスウェーデン語の授業での生徒の様子です。スウェーデン語の授業では先生がスウェーデン語の本を読み聞かせをして、その後生徒に質問を投げかけるという授業の流れになっています。先生が読み聞かせをしているときに生徒たちは各々塗り絵をしたり、切り絵をしたりしていました。私が初めてその場面を見たときに、日本の教育現場ではありえないことだと思いました。日本では教科書を開いて、全員が同じことをする授業スタイルがよく見られる光景であり、本の内容を目と耳から得ています。しかし、なにか作業をしながら本の読み聞かせを聞くことで、生徒たちは騒ぐことなく、耳を傾けるようになっていると思いました。また、席を立っていたり、机の上に座っている生徒がいてもあまり注意しないのは、他の生徒の邪魔をしていないということを先生が確認しているからでした。こうすることで、多動の障害を持つ生徒が立ったり、机の上に座ったりしても悪目立ちすることなく、インクルーシブな教育ができるのではないかと考えました。


学校生活では授業はもちろんスウェーデン語で行われるのですが、子供たちは私がスウェーデン語を話せないことに気がつくと英語でどんどん話しかけてくれました。そして体育の授業では先生のスウェーデン語の説明を英語に訳してくれたり、スウェーデン語で行われた友達との会話も訳してくれたり、先生に英語で説明をするようにお願いしてくれたりと、子供たちの優しさと英語力にすごく助けられました。どの生徒さんもスウェーデン語を英語で訳して私に正確に伝えようとするところや友達同士の会話も伝えてくれるところから、私を置いていかない、1人にしないようにしようとしてくれていることに気づいた。このような生徒たちの気遣いや暖かさがあったからこそ、3日間の実習で楽しく学ぶことができたのだと思います。

改めて、Malmaskola小学校の先生並びに生徒の皆さん、大変お世話になりました。たくさんのことを学ばせていただけて感謝でいっぱいです。ありがとうございました。

(M. Y.)

Malmaskola小学校実習最終日。

私が担当させて頂いたのは、1年生のクラスです。今日は、体育の授業から始まりました。更衣室で着替えた後、体育館に移動。運動する時は陽気な音楽が流れます。算数やスウェーデン語の授業では大人しい子も、体育では思いっきり体を動かして、素敵な笑顔を見せてくれました。


そして、金曜日は週末前の特別な日。Fikaでは、先生たちが持ち寄ったデザートが並び、いつもよりも豪華なティータイムになります。他にも、Fridaysongを流し、クラスの子供たちと輪になって踊ったり。4時間目の授業がなく、いつもより1時間早い13時に帰ったり。スウェーデンでは、心躍る特別な日として金曜日を大切にしていることを知りました。


最後には、クラスの子供たちが一人ひとり絵を描いて、プレゼントしてくれました。スウェーデン語が話せない私に、表情や身振り、体を使ってコミュニケーションを取ってくれた子供たち。遊びの時間は、一緒に隠れんぼや鬼ごっこをしました。この3日間、たくさん声をかけてくれて、素敵な姿を見せてくれた皆に、感謝の気持ちでいっぱいです。

3日間という短い時間でしたが、日本との違いに驚くことばかりで、学びの多い実習でした。Malmaskolaでは、個々を大切にし、自立して活動に取り組めるように工夫していると感じました。例えば、子供たちのレベルに合わせて、異なるテキストやプリントを用いていたり。イヤーマフや折りたたみパーテーションといった、個々が集中して取り組めるような道具があり、使いたい時に使えたり。子供たちは、自分が何をすれば良いのかを分かった上で活動に取り組んでいるように見えました。

他の学校はどんな様子なのか、同じスウェーデンでも違いがあるのか、ストックホルムの学校を見に行くのが楽しみです。

(A. K.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月17日日曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 7日目

Boo Gårds
私たちの実習先はBoo Gårds skolan という学校で、2022年に改築されたところだった。1限目は5年生の歴史の授業を見た。講義型の授業で、15世紀~16世紀の歴史のアニメ風動画を見て数直線に歴史の出来事を書いていった。授業の最後にはiPadでオンラインゲームのようにクイズに答えて得点を競っていた。ゲームで勝ち抜くには授業の内容を理解しておく必要があるため、子どもは授業に集中しようと頑張っていた。


また、この日は5年生のクラスでラジオの大会の本番があり、他の学校と競っていた。クラスの代表が実際にラジオ番組で話し、正解の回答をしていき得点を重ねていくものだった。競技をしている部屋の隣にある教室で、ラジオから試合を聞くのは新鮮だった。代表以外のクラスのみんなは代表の子どもが正解するとフゥ↑と喜び、間違えるとしっかりと落ち込み感情の起伏がはっきりと見えて面白かった。


また、私の担当の先生はSpecial needs teacherで、障害のある子どもや外国籍の子どもに勉強を教えていた。この日はウガンダ出身の子どもにスウェーデン語を教えていた。初めにスウェーデン語の絵本を先生に続いて声に出して読んでいた。絵が左のページ、右にスウェーデン語の文が2つほど書かれていたので視覚的にも内容を理解でき、先生の声を聞いて子どもも声に出して読むので音声でのインプット・アウトプットもできていた。発達障害を含め障害があったり母国語がスウェーデン語ではない子どもにとってはイラストなどの視覚情報があるととても分かりやすく、スウェーデン語を学びやすくなると考えられる。このことから、とても効果的な言語学習方法だと思った。

ホテルでのFikaのあと、Gamla stanヘ
学校から帰ったあとはホテルでFikaをした。バナナのケーキがあり、バナナ感がとても強くおいしかった。

その後Gamla stanへ行った。おみやげ屋さんがたくさんあり、とてもかわいかった。おみやげではトムテを買った。今はサンタの扱いであったりするらしいが、もともとは妖精でおうちを守ってくれるものだと地元の北欧雑貨屋さんが言っていたので気になっていたので買った。ひげが羊の毛らしく、とても柔らかかった。




夜ご飯には林先生がおすすめのBlå dörren へ行った。雰囲気が最高で、ミートボールもサーモンもおいしかった。 夜のGamla stanはライトもあいまって一層きれいだった。この景色は一生忘れないと思う。


(R. I.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月16日土曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 6日目

各学校で実習スタート
実習先の学校にもよりますが、生徒の授業に間に合うよう朝早くから実習時間が設定されています。Boo Gårds Skolaが実習先の場合、午前8時に学校に着くようにホテルを午前7時に出ます。

Boo Gårds Skola
配属校(Boo Gårds Skola)での実習初日にはまず、副校長であるミカエラ先生から学校についての詳細、注意事項などの説明を頂きました。その後ミカエラ先生に学校案内をして頂き、各自配属された学年クラスに移動し、担当していただく教師の方について生徒の学びの様子を見学させて頂きました。

基本的に配属されたクラスのタイムスケジュールに合わせて、担当教師の方と共に行動しますが、休み時間やランチタイムなどは生徒と関わることのできる貴重な時間です。

また、スウェーデンの文化である「fika(フィーカ)」のブレイクタイムはとても大切にされており、生徒の情報共有や教員同士のコミュニケーションをするひと時が設けられています。

クラスの雰囲気は、教師によって変わります。しかし、どのクラスも自由な行動をとる子が多くいました。授業中にミサンガを編む子、絵を描いている子、上半身と下半身の向きが逆さまになった状態で机に座っている子など様々な様子の生徒の姿が見られましたが、授業内容は頭に入っており、教師の質問に対しても的確に答えているため、教師側も特に注意している場面は見られませんでした。ただ、誰かが発言している時、リスニングの教材を扱っている時など、耳から情報を取り入れる際にお喋りをしている生徒がいる場合には教師は強く注意していました。また、教室内での席がコの字型に配置されており、教師から生徒の顔が必ず見える状態を保っていること、ひとクラス20人程度に対し教員が2人の体制をとっており、教師が把握できる範囲が広く深くなっていることが手厚い教育制度に繋がっているのだと感じました。


実習初日から濃い体験をしましたが、特に印象に残ったのはランチタイムです。ランチタイムは学年ごとに時間がずれており、交流がクラスの中で完結する日本のお昼時間とは違い、みんなと同じ空間で食事をとるという習慣はとても素敵だと感じました。しかし、ランチはビュッフェ形式なため、お皿にライスだけを取る子や、野菜しか食べない子など、自分の食べたいものだけをとる様子が多く見られ、どんなに栄養士さんがバランスを考えて食事を配置しても、生徒の栄養が偏ってしまうことが少し気になりました。

初日の感想としては、生徒の学習環境や交流に関しての環境が整っており、さすがだなといった印象ですが、食事の偏りをはじめ、忍耐力や協調性、組織性に関して言えば、生徒自身が掃除をしたり、団体で行動をする日本の制度も考えられているのだと考えました。これからの実習を通じて、両国の相違点や類似点などを見つけていきたいと思います
(S. U.)

Welcome to Samskolan
とっても綺麗な外観で感動。Welcome!と笑顔で迎え入れてくださる先生方に感銘を受けながら、Fika Roomに移動。シナモンロールを囲みながらチームリーダーと会話し自分の英語力の低さを痛感。こんな感じで始まった配属先Samskolanでの実習一日目。


最初に学校紹介を全員で受けた後、一人で担当してくださる先生がいる一年生の教室に行きました。着いたらすぐに給食の時間だといわれたのですが10時30分頃だったので驚きながら移動。

食べたいものを食べたいだけ取れるヴァイキング式の給食も素敵だな、と思いながら隣を見てみるとお米しかとっていない子供を発見。日本の学校給食の良さを実感しました。

食べ終わった後は外に出て遊ぶ時間。ずっと同じ友達と遊ぶ、ということはなく、各々好きなことをする、自分がやりたくなくなったら一人で違うところに行く、という遊び方に日本との違いを感じました。また、外遊びは担任の先生ではなく外遊び担当の先生が子供達を見ることにも驚きました。

外遊びが終わり、教室に戻ったら5分間本を読み、時間になると授業が始まります。今日は重心などバランスについてハサミで切った蝶々を使いながら学んでいました。40分くらい経つと二度目の外遊びの時間。帰ってきたら続きの授業をして14時に解散し学校での一日が終了。

15時からはチームリーダー、主任、各教科の代表の先生が受ける校長先生主催のリーダーシップ研修にご招待していただき参加しました。

色々な日本との違いに驚いたのですが一番驚いたのは授業と遊んでいる時間がほぼ1:1だったことです。外で遊ぶことで脳がリフレッシュされ、私も生徒も授業に集中することができたのでいい制度だな、と思ったのと同時に授業が10時30分から14時の3時間半の間で約1時間半しかないのは少なすぎではないのかな、とも感じました。

明日からも日本教育のいいところ、スウェーデン教育から取り入れた方がいいところを沢山見つけていきたいと思います。
(A. Y.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。

2024年3月14日木曜日

研修報告: 4大学合同スウェーデン実習 5日目




Malmaskolanの見学
Malmaskolanの校長先生に学校内を案内していただきながら、午前中見学し、ランチを一緒に食べました。

見学の中で印象に残っているのが、図画工作ルームでの生徒の様子です。日本では、ミシンなど危険を伴う機会を扱う場合、立ったままやらない。先生の話をよく聞き、周囲と同じものを作成する。と、いった事が基本となるかと思います。しかし、スウェーデンの子供たちは自分の興味のあるものをそれぞれで作っており、教師は見守る形で生徒が助けを必要としている時のみヘルプをしている印象でした。このような形式は、それぞれのペースで学習を進めることができるため、とても良いと感じましたが、同時に安全面をどのように管理しているのか気になりました。そこで、校長先生に「How do you keep the children safe?」と聞いてみたところ、答えは、自由にミシンなどを使わせる前に、使い方をしっかりとレクチャーし、正しく使うことができるかテストをしているということでした。

今回の見学では、日本とスウェーデンの教育の違いをとても強く感じました。それぞれの教育の利点や欠点にも、今後は目を向けてみたいです。

ストックホルムへ移動
今日はウプサラ組の3人と別れ、ストックホルムへの移動の日でした。これまでの濃い2日間、共に過ごしていたので、4日間ですが、離れると思うと少し寂しかったです。

ストックホルムは、人が多く、ウプサラとは違う雰囲気が広がっていました。また新たな発見が沢山見つかりそうです。


Sickla Köpkvarter
今日はホテルの近くにあるSickla Köpkvarterという大きなショッピングセンターに行きました。衣服、雑貨など、素敵なものが沢山あり、すごく心がときめきました。ついつい買いすぎてしまいそうになりますが、物価が高いことを忘れず賢く買い物したいです。


(R. M.)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教育学部の国際共修授業「Education in Global Perspectives III」(不定期開講・3単位)として実施されています。また、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムおよび独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度(協定派遣)の助成を受けています。