2016年5月25日水曜日

教育動向: 中学生数学コンテスト「マスカウンツ」開催

アメリカの教育動向(久原みな子)
 
 5月10日、各州選抜の中学生224名が竸う中学生数学コンテスト「マスカウンツ(MATHCOUNTS)」が開催され、ワシントン州出身の7年生(13歳)が優勝した。1984年に始まったマスカウンツは、クイズ番組のようなショー形式で行われ、毎年約10万人の中学生が地区予選に参加している。内容は数学的問題解決力を竸う競争で、例えば、優勝者のエドワード・ワンは、「999,999,999÷32のあまりは?」の問いにわずか6.95秒で正答「31」を答えた。優勝者には、大学進学のための奨学金2万ドルと、合衆国宇宙ロケットセンター(アラバマ州)での夏季プログラム「スペースキャンプ」への参加権が授与される。
 
MathCounts 004

 米国でも国際数学オリンピックの予選を兼ねた様々な数学コンテストが毎年各地で開催されており、数々の数学教師・ボランティアとともに学校の部活動、課外活動やオンラインフォーラムなどで、熱心な対策と指導が行われている。一方で、数学コンテストで上位を占めるのが高所得世帯出身の白人・アジア人に偏っていることも度々指摘されている。

2016年5月11日水曜日

教育動向: 2016年大統領選-教育省長官は誰になるか

アメリカの教育動向(久原みな子)
 
 共和党の大統領選挙候補者選出は、テッド・クルーズとオハイオ州知事ジョン・ケーシックの選挙戦撤退により、ドナルド・トランプの指名獲得が確実となった。一方、民主党も、ヒラリー・クリントンの指名獲得が濃厚となっている。このような中、教育界で影響力を持つと考えられる“インサイダー”を対象とした調査結果『エデュケイション・インサイダー(Education Insider)』を2009年より毎月発行しているホワイトボード・アドヴァイザーズ(Whiteboard Advisors)が、最新の調査結果の中で、次期教育省長官の予想を発表した。調査に回答した“インサイダー”は、現役ホワイトハウス職員、教育省職員や、州、連邦レベルの教育関係者、シンクタンク関係者などを含む、50-75名。
 
Linda Darling Hammond 3

 調査結果によれば、ヒラリー・クリントンが大統領になった場合の教育省長官候補としては、元スタンフォード大学教授で学校改革や教師教育に詳しいリンダ・ダーリング-ハモンド(Linda Darling-Hammond)や、アメリカ教員連盟(AFT)の現最高責任者であるランディ・ワインガーテン(Randi Weingarten)らの名前が挙がっている。ドナルド・トランプが大統領になった際の教育省長官候補としては、大統領選候補者でもあった元精神外科医のベン・カーソン(Ben Carson)や、OECDのPISA(国際学習到達度調査)ディレクターであるアンドレアス・シュライヒャー(Andreas Schleicher)らの名前が登場した。