2016年9月24日土曜日

教育動向:“しらふの週末”-大学キャンパスでの飲酒・喫煙・ドラッグ問題



アメリカの教育動向(久原みな子)

ミシガン大学の研究者たちが今年7月に発表したドラッグ使用に関する調査、Monitoring the Future: National Survey on Drug Use 1975-2105によれば、マリワナを過去12ヶ月間に使用した学生は、2006年の30%から2015年には38%に増加した。この数年、コロラド、オレゴン、ワシントン、アラスカの4州とワシントンDCで娯楽用マリワナが相次いで合法化されたことにより、マリワナ使用に対する態度が全国的に寛容になってきている、とこの調査報告書の著者のひとりは語っている。

一方、長年、様々な視点からいろいろな大学ランキングを発表しているプリンストン・レヴューは、今年も「パーティ・スクール(飲み会などのパーティが多い大学)」ランキングを発表した。このランキングの信憑性については多くの大学が疑問を呈しているが、キャンパスにおける飲酒・喫煙・ドラッグ問題は、大学にとっても無視できないものとなっている。

そのような中、2004年にはパーティ・スクール・ランキングで首位となり、また娯楽用マリワナが合法化されているコロラド州にあるコロラド大学ボルダー校では、今年で9年目となる大学主催の「Live Free Weekendしらふの週末」イベントが9月22日から26日まで行われる。木曜の正午から月曜の正午までを、飲酒・喫煙・ドラッグ使用なしにしらふで過ごそうというこのイベントは、学生をはじめ大学関係者や地域の人々が、個人またはグループでこの期間をしらふで過ごすという誓いをオンラインで行い(任意)、各自の飲酒やドラッグ使用、健康、ライフ・スタイルを見直す期間となっている。また、大学施設を使って、スポーツの試合、星空のもとでのヨガ、ボルダリング、講演、映画上映など、お酒やドラッグに頼らずに学生が過ごせるイベントが目白押しとなっている。オンラインの「しらふの誓い」は昨年にはおよそ2000人が参加した。



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