2023年8月16日水曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 3日目

8月15日(火)

自分はこの1週間、Te Rangihakahaka Schoolで実習をさせていただく予定です。今日は本格的に臨床実習が始まりました。シニアクラスでは初めに科学の授業がありました。生徒に万歩計が配られ、35日間どのくらいカロリーが消費されるのかを測定してみようという授業でした。万歩計なので腕だけ動かして数字を稼いでいる子どももいました。そこで学んだ言葉はcheatingです。こういう時に使うんだと思いました。


その後、ランチタイムがあり、給食をいただきました。やっぱり日本と違いますね。私は食べませんでしたが、ポップコーンもありました。まさか、学校でお菓子が食べられるとは思いませんでした。

ランチを食べた後はcookingをやりました。しかし、家庭科室というものはなくランチを食べた場所でLolly cakeという激甘スイーツと餃子(dumplings)を作りました。ただ全員が調理実習を行うのではなく、やりたい人がやるような形式でした。日本では絶対にありえないですね。また、どうやって作るかの説明もなく、分からなくなったら先生に聞きに行く形式でした。私は、調理実習でレシピ通りにやらなきゃいけないというプレッシャーがあったので、Te Rangihakahaka schoolの調理実習は本当に自由にできて良いな!!!と思いました。




そして、私の時間がやってきました。マオリ族がマタリキという日本でいう「スバル」をみながらニュージーランドのお正月を祝う特別な行事が7月にあったということで、私は日本の七夕についてお話ししていました。子どもたちは本当に興味津々で、学校の先生に七夕について話したい! と言って良かったなと思った瞬間でした。七夕について話した後、短冊作りを紹介しました。自分の力で子どもたちにしかも英語で教える経験がなく、子どもたちに言葉を教えてもらいながらなんとか伝えることができました。短冊も日本語で書きたかったら教えるよというと、書きたい! と言ってくれる子が何人もいて感極まりました。

ただ本当に時間がない。やりたいことが一杯あるのに時間がない。一日が24時間+寝る時間だったら良いのになと何度も思いました。



自分は農学部で他の方より教育の知識が乏しく、今回参加したのは間違いだったかと行く前は何度も思っていました。しかし、今回この海外臨床実習に参加して良かったなと思っています。

(荒川陽香)

※本事業は、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として実施されています。

2023年8月15日火曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 2日目

8月14日(月)

本日は、各校訪問(実習校2校+高校1校)とロトルアでの学習会(Youth Centre&Education NZスタッフミーティング)がありました。昨日は19:00から就寝して12時間も爆睡した人もいました。2日目の訪問に向けて充電はバッチリです。筆者は24:00就寝です。ホストファミリーには、「遅い!私たちは22:00に寝るわよ」と言われてしまいました。日本の皆さん、睡眠時間は十分に確保してお仕事にあたってください。

Te Rangihakahaka School訪問

歓迎のハカ。当たり前かもしれませんが、何を言っているかわかりませんでした。しかし、迫力。以前、ラグビーNZ代表が試合前にすることで話題になりました。見とれた我々は思わず「拍手!」しかし、のちに現地ガイドさんに、「ハカはパフォーマンスではないので、静観が適切でしょう」とご指導いただきました。「正しい知識は、身に着けてこそ」を実感しました。右下の写真は、校内を案内していただいてる最中に子どもたちがかけよってきてくれて、10:00からの朝の会に我々を連れて行ってくれました。

こちらの学校は、マウリが月の満ち欠けをもとに吉凶を判断していたことに基づき、それを学校のカリキュラムに組み込んでいるそうです。なんとスピリチュアルな。でも、子どもたちの調子にも確かに影響しているようなんです。こちらには、明日から4名(ストマス・学部)の学生がお世話になります。よろしくお願いします。


Selwyn Primary School訪問

2校目。筆者もお世話になるSelwynを訪問しています。こちらも歓迎のハカ。あれ? 1校目と何か違う。なんとハカは1種類ではありません。ハカは1日にしてならずなのです。また、伝統曲を我々に披露してくださったのですが、フルバージョンを紹介したら、長くなりすぎるので「あなたたちを歓迎します」という部分をアレンジしてくださっていたそうです。我々も2校に「ふるさと」の斉唱で返礼させていただき、指揮は、宮崎先生(学生代表・はっぴ着用)でした。明日からの実習も日本代表として精一杯、一緒に勉強させていただきます。

噴水は、校庭から湧き出ていて、ここロトルアは温泉地ですので源泉が噴出しているそうなんです。マウリ的には、水は「清め」の効果があるらしく、我々も手を洗ったり、試飲させていただり、各々の禊をさせていただきました。右下の写真はマウンテンバイクのロードが校内にあるんだそうです。ここロトルアはそれを競技にしている人が多いんだとか。こちらのコースについては、野村先生がレポートしてくださるそうなので、楽しみにしていてください。写真右上のさらに右、黒アウターの男性は、Selwynのワクワクさんです。電気、木工なんでもこいのスペシャリストで、写真のスケボーは彼のハンドメイドなんだそうです。明日から同じく学生4名(現職2名、ストマス2名)がお世話になります。

Western Heights High School 訪問 (以下WH2Sと略)

筆者が高校教員ですので、高校も見学コースに入れてくださっていました。ありがとうございます。こちらの高校はSelwynからの生徒も多数入学するそうで、日本でも指導経験がある先生が我々を案内してくださいました。今週木曜は新入生説明会(17:30~)が予定されているようです。また、日本からの留学生2名とも偶然敷地内で記念撮影をすることができました。WH2Sは1200人の生徒が在籍しており、ラグビーの強豪校なんだそうです。今、NZは教育改革の真っ最中なんだそうで、どういう学校にしたいか模索されているようです。私は、そのビジョンを生徒に共有し、「将来、どうなりたいか」を教室まで生徒を訪問し、インタビューされている校長先生に脱帽しました。「学校は10割、管理職で決まる」Facebookで見かけた講演タイトルを思い出しました。

セントラルモール内フードコートで自由食

ご飯の写真ちゃうんかい!と突っ込まれることを覚悟して、これを書いています。上がマウリ語、下が英語の表記です。母国語が2種類あるNZならではの表示だと思いました。ただ、このロトルアがマウリと英語圏の共生がうまくいっており、オークランドや他ではこのようなものは珍しいそうです。先日ロトルアの市長に選ばれたのは30代前半の女性。今日の一番最後で我々に対し、歴史的な側面からニュージーランドを語ってくださったジョンさんが教えてくださいました。


Youth Centre訪問

15歳~24歳の若年層を対象に、仕事の相談や、自分に自信をつけてほしいという願いからYouth Centreが設置されています。防音設備のある部屋でミキシングで音楽を作り出すことができる経験を積んだり、実際にそれを配信している人もいるそうです。また、バリスタを目指し、カフェで使用されている機械をそのまま使いトレーニングできる環境や、ゆったりできるソファがあるカウンセリング室がYouth Centreにはあります。どれくらいのユーザー数がいるかを正確に計測したことはないそうですが、年間延べ5000人がこちらを利用しているそうです。

Education NZのスタッフとロトルア図書館でミーティング

こちらの図書館にて、Education NZのスタッフのジョンさんが1816年から2022年の2世紀にわたるNZの歴史をマウリと白人(パティハ)の抗争をもとに解説していただきました。

今日(8/14)は、たくさんの新しい出会いがありました。明日(8/15)からは、配属校で実習が開始されます。それでは皆さん、「キラ オア!」

(石塚達也)
(付録)


どうも、本日執筆担当の石塚です。今日はホームステイ先の家族に紹介してもらい、Selwyn校の実習生4名でポリネシアン・スパへ行ってまいりました。ホストマザーが気を遣ってくださり、我々日本人4名を各家庭を回って送迎してくださいました。写真は、一足早く温泉を上がった、筆者の右腕です。うまく他の方が入り込まないようにトリミングしてありますので、スパの様子がうまく伝わるか心配ですが。私の眼前の温泉プールは、夜光と合わせれば、さながらナイトプールといったところでしょうか。私はナイトプールの経験がないので、雰囲気だけでお話しているのはご了承ください。また、コンタクトレンズをホームステイ先に置き忘れるという痛恨のミスが発生。視力0.01の私はどんなにいい景色さえもその視覚にとらえることができませんでした。すべてがピンボケ映像です。こちらの施設紹介については、宮崎先生、野村先生のお二人に委ねたいと思います。

※本事業は、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として実施されています。

2023年8月14日月曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 1日目

8月12日

成田空港第1ターミナルに15:30に集合しました。
事前学習はオンラインで行っていましたが、実際に顔を会わせるのはこの日が初めてでした。
改めて自己紹介をし、出国審査へ向かいました。
ニュージーランド航空、NZ90便18:30発にてオークランドへ。




10時間10分のフライト、途中台風7号の影響を受けて、機体が大きく揺れることもありましたが、翌日8月13日8:00にオークランド到着しました。
現地コーディネーターの大さんと合流し、ロトルアへ移動しました。


車中、大さんのNZクイズやマオリの歴史、社会問題についてもお話をお聞きしました。
午後にはホームステイファミリーと対面し、ホームステイ先へ分かれました。
アイス消費量世界一のニュージーランド、本場の味も体験しました。



ニュージーランドの広々とした景色、羊や牛の群れ、ロトルアの湖、 自然の広大な豊かさを感じることができました。

(上原美紀)

※本事業は、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として実施されています。

2023年6月2日金曜日

研究紹介: 全国170の自治体が「公営塾」を設置 ~公営塾研究プロジェクトによる全国自治体調査の結果を公表~

公営塾研究プロジェクト(JSPS科研費JP21K18501)では、全国の自治体を対象に「公営塾」を設置しているか等を問う質問紙調査を行いました。調査は2022年1月から3月にかけて実施し、約3分の1の自治体から回答がありました。このうち170の自治体が「公営塾」を設置していることが分かりました。回答の分析から、「公営塾」あるいは公的学習支援事業の内容や対象者は多様であることが分かり、さらなる調査の必要性が明らかになりました。




詳しくは公営塾研究プロジェクトのウェブサイト(https://publicjuku.com/)をご覧ください。

2022年10月16日日曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 9日目

10月15日(土)

本日私たちは約13時間のフライト経て、日本時刻13時ごろに帰国しました!

飛行機の中で10日間の研修を振り返ると、たくさんの楽しかったことや、学校訪問で学んだことを思い出すことができました。10人全員がなんとか無事帰国することができ、一安心です!


朝方の機内からはとても神秘的な景色が見えました。10日間やり切った私たちを褒めてくれ他のかもしれませんね。


しばらくして飛行機の窓から小さな富士山が見えたときは、日本に帰ってきたんだなと実感しました。


飛行機から降りると、ほとんど全員がマスクをつけていて、日本だなぁと改めて感じました。スウェーデンではマスクをしている人はほとんどおらず、逆にマスクをしている人が異様に見えてしまうくらいだったので...

また、日本はスウェーデンと違い随分暖かいなと思いました。スウェーデンでは寒い日も外でのびのびと遊ぶ子どもたちの姿が印象的でした。そんなスウェーデンで出会った子どもたちを思い出すと、(帰国して間もないですが)スウェーデンが恋しくなりました。

今回学んだスウェーデンの教育を、今後の学びに繋げたり、他の学生達にも共有していきたいと思います。日本とどちらの教育が優れているかではなく、違いを知ることで見えてくるものがあるのだと感じました。今後の学校教育をより良いものにしていけるように努力あるのみです!

又、フィーカ(コーヒーと一緒に甘いお菓子を食べる文化)などの生活スタイルもたくさん取り入れていきたいと思います。


(竹内葵)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

2022年10月15日土曜日

研修報告: 海外学校臨床実習 8日目

10月14日(金)

今日は、学校訪問最終日でした。

私は、音楽の授業を参観しました。

5年生の授業では、ルシア祭で歌う曲を、先生の弾くギターに合わせて一緒に歌いました。ルシア祭は、スウェーデンで毎年12月13日に行われる大切な行事です。ルシア祭では、ロウソクの冠を被ったルシア姫を先頭に同じく白いドレスを着た女の子と星の使いに扮した男の子が行列を作って歌を歌うそうです。「Natten går tunga fjät」「Godmorgon, Mitt Herrskap」「Lusse lelle」という3曲を歌いました。子どもたちは音楽に合わせて体を動かしながら、とても楽しそうに歌っていました。授業後、担当の先生がルシア祭の動画を見せてくれました。暗い中で光るキャンドルの灯りや歌声がとてもすてきで、参加したくなりました。

6年生の授業では、ドラムのテストをしていました。Queenの「We will rock you」に合わせて、1人ずつドラムを演奏します。友達の演奏を見ることもとても大切な勉強で、体でリズムを覚えることが大切なのだと教えていただきました。苦手な友達に対しても、みんなで応援し、先生にも助けてもらえる安心感から、誰もが積極的に挑戦できる。そんな温かい雰囲気を感じられるとても心温まる授業でした。授業後には、ドラムの演奏も体験させていただきました!


私は今日もたくさんの活動に参加させていただきました。そして感じたことは、子供たちが学校で過ごす時間をとても楽しんでいるということです。

今日、ある小学生のグループが私にスウェーデンの作家についてのプレゼンをしてくれました。英語で私に説明してくれたことにも驚きましたが、彼らの作ったスライドには、クイズや実際に本を購入することができるページに飛ぶリンク、作者についてのもっと細かい説明を見ることができるページに飛ぶことができるリンクがつけられていました。どうしたらもっと面白い発表ができるか、仲間と相談しながら準備をしていました。子供たちが、心から楽しんで追究している姿を見て、私もこんな風に学べる授業を作りたいと感じました。短い期間でしたが、学校訪問を通して、様々な経験をすることができました。そして、思い切り楽しんでする勉強は最高なのだとわかりました。これからもとても奥が深い教育という分野について探求心をもって学んでいきたいです。

 
セーデルマルムの公園で面白い像を見つけました。不思議な生物で、なにかはわかりませんでした。お尻がとてもかわいいです。


(六川麻耶・前田彩)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。

研修報告: 海外学校臨床実習 7日目

10月13日(木)

今日は学校訪問2日目でした。私は主に図画工作の授業を見ました。ニューログラフィックアート、カラーイラストの一部をモノクロにして大きな紙に描くグループワーク、絵の具とクレヨンで楓の葉を描く活動、ハロウィンの絵を描く活動を見ました。私が一番驚いたことは、授業中に音楽が流れていたことです。今日はハロウィンにちなんだ曲が流れていました。子どもたちはセリフ付のBGMを聞き、時々クスクス笑いながらリラックスして制作していました。楽しそうでした。

初めて聞いたニューログラフィックアート、特にこれは心をリラックスさせた状態で描くとが重要だそうです。とてもスピリチュアルな不思議な雰囲気の作品をいっぱい見ることができました。
 

楓の葉の作品は、乾いたら大きな木に貼ります。作品は本物の葉のように一枚一枚全然違っていて、個性があり見ていてとても面白かったです。
 

どの活動にも共通していることは先生が最初に一通りやり方、テクニックを説明し、その方法通りにやるということでした。日本の図工や美術の授業では、個性を大事にすることを重視しているのか、あまりテクニックなどは教えてくれません。しかし、テクニックを教えたうえで個性が見られる作品ができることを今回学びました。


夜は各学校の先生を私たちが宿泊しているホテルにお招きして一緒にディナータイムを過ごしました。それぞれ、お世話になっている学校の先生と美味しい食事を囲みながら学校のことや、国のことについてたくさんお話しできました。


スウェーデンの先生は日本の先生のように朝から晩まで働くということはあまりないとお聞きしました。学校の子どもも大切だけど自分の家の子どもも大切にしている姿が素敵でした。また、スウェーデンにはFIKAという3時のお茶タイムがあり、先生たちにとっても大切なリフレッシュの時間だそうです。他にも日本の学校や文化もたくさん伝えました。

スウェーデンの素敵な文化をたくさん知れてとても楽しいディナーでした。
(中澤そよぎ・片桐侑大)

※本事業は、ウプサラ大学教育学部との国際交流協定に基づき、信州大学教職大学院の授業「海外学校臨床実習」(隔年・2単位)として、信州大学知の森基金を活用したグローバル人材育成のための短期学生海外派遣プログラムの助成を受けて実施されています。